“罰金刑の数”世界トップクラス? スイスは「ペット・動物に関する法律」が超絶キビシイ国だった! | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“罰金刑の数”世界トップクラス? スイスは「ペット・動物に関する法律」が超絶キビシイ国だった!

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 中央ヨーロッパに位置するスイス。国の7割を山岳地帯が占める自然豊かなこの国は、世界でも有数の「動物に優しい国」として知られています。動物に関する法律やマナーが多く存在していると言われていますが、いったいどのようなものなのでしょうか。スイス生まれで、同国関連のブログも執筆するフッターさんに詳しい話を聞きました。

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 同国において動物がいかに大切にされているかは、公共の場で愛犬を連れている人が多いことからも察することができます。これについてフッターさんは、「衛生上の問題からレストランの内部や販売店、地下鉄などには入ることができません。ですが店のテラス席や朝市、駅構内の1階やホーム、吹き抜けスペースなどの屋外ならOKです。いずれもリードで繋いだ状態であることが必須ですが、日本と比べてみるとスイスは愛犬を連れて歩きやすい環境だと思います」と話します。

 犬が電車に乗車することも可能で、その場合は「乗客」扱いとなります。当然ながら切符が必要となりますが、日本のように「手荷物扱い」とはしません。また、同国ではペットの耳へチップ埋め込みおよび登録が義務付けられており、無責任な動物遺棄捨を防ぐ策が講じられています。遺棄した場合は飼い主が特定され、罰金が科せられるシステムとなっています。

ペットにチップを埋め込むことで「飼うこと」に対しての責任をオーナー達に徹底的に義務付けている(イメージ)

 他の動物の飼い方にも特徴が。「犬と同様に、猫も屋外のさまざまな場所に連れていくことができます。といっても、本来猫は飼い主についていく生き物ではありません。そのため飼い主が連れ回すことは少ないですが、基本的に家猫であっても室内に閉じ込めることはしません。必ず窓や玄関に猫扉を設け、自由に出入りしたり外を探検しにいけるようにしています」とフッターさんは解説。

 数年前からヨーロッパでは「ペットショップで生き物をケージや水槽の中に閉じ込めること自体が動物虐待にあたるのでは」という見方が浸透しつつあり、一部の国では魚の販売はおろかショップ営業が禁止されるほど。動物好きや飼い主たちは、まず第一に「動物にとってのふさわしい生き方」をペットに提供することを意識しているそうで、それが保障できない場合は迎えることを断念するのだとか。

「閉じ込め」は生き物にとってふさわしくないというのがスイスの考え方(イメージ)

 ただ動物を溺愛するだけではなく、“マナーにも厳しい”のがスイスの流儀だそう。例えば「ハトへの餌やり」はかたく禁止されており、違反者には罰金が科せられます。

「ハトは一度エサをあげると、その場所を“エサ場”と思い込んでしまい長期間住み着いてしまいます。そして、その周辺に大量のフンをまき散らします。スイスをはじめとしたヨーロッパ諸国では歴史的建造物が多いため、鳩のフン害で文化財が損傷の被害を受けています。文化財保護の観点からも禁止されているのです」(フッターさん)

スイスにおいて、ハトの餌やりはNG(イメージ)

 飼い犬のフンに関する法律も厳しく、放置したら罰金です。公園や公道などで犬にフンをさせようとした場合、その額は数十万円にのぼるといいます。そのため、街のあちこちにフンを拾うためのプラスチック袋を備えた回収箱が設置されているとのこと。

ただ罰金を課すのでなく、そうしたことにならないようにツールを用意するなど「フン対策」を国全体で実施(イメージ)

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 今回紹介したのはほんの一例。スイスでは動物を飼う際、飼い主がさまざまな義務を負うことになります。しかし、これは動物たちが社会の一員として最低限のマナーを身に着け、かつ動物らしい生き方をするため必要なものだといえます。

「これらの法律やルールは決して理不尽なものではなく、結局は動物を大切に思うからこそ生まれたものばかりだと感じます」とフッターさんは締めくくりました。

(取材・文=つちだ四郎)

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