桂春蝶は、自身のラジオ番組のなかで、女優・沢尻エリカ容疑者の逮捕を、安倍政権による陰謀と主張した鳩山由紀夫元首相に苦言を呈した。
鳩山氏は自身のツイッターで「沢尻エリカさんが麻薬で逮捕されたが、みなさんが指摘するように、政府がスキャンダルを犯したとき、それ以上に国民が関心を示すスキャンダルで政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的である」と明言。これに対し春蝶は強く反論した。
「鳩山氏は、最高権力者だった人間なんです。その人が、沢尻容疑者の逮捕を、政府がスキャンダル隠しに利用したとあたかも認定したかのようなツイートをしたというのは、意味が大きすぎるんですよ。鳩山氏は、自分が総理経験者だっていうことを忘れてるんじゃないかなと思います」
「そういうことを言うのなら、相当、腹を据えて言わないといけないんですよ。この人は、そんなこと何にも考えてないと思う。ただただ、『”いいね！”が増えてうれしい！』くらいの承認欲求で、総理経験者がそんなことをやっていることに、すごく大きな罪があるんじゃないかと思うんです」
春蝶は、鳩山氏自身が総理だった頃の話を挙げ、続ける。
「もう一つ言うと、総理時代に、鳩山氏もその『スキャンダル隠しの裏技使ったんじゃないの？』って思われるわけですよ。調べてみると鳩山氏に金銭的なスキャンダルがあったときに、赤坂晃さん（元光GENJI）が覚せい剤で逮捕されているんですよ。同じ年には、押尾学さんとか、酒井法子さんとかも逮捕されている。裏技使いまくってるじゃないですか、鳩山さん！」
さらに、春蝶は「リベラルを中心に、『安倍政権は官僚の人事権を握って恐怖支配をしているので、鳩山政権とは違う』という声があるが、それは無理があると思います」と語る。そもそも、鳩山氏が言うように、安倍総理が裏技を使ったとすれば、整合性がとれないという。
「今回の『桜を見る会』よりも、安倍さんが一番危なかったのは、『モリカケ』（森友・加計学園問題）のときですよ。『モリカケ』のときってそんな目立った逮捕者はいなかったんです。その時でしょ、この裏技を使うんだったら！ 僕だったら毎週のように逮捕者出すわ」
一方、問題が表面化したときの安倍総理の対応にも春蝶は言及する。
「桜を見る会に関して、安倍総理が問題だと思うのは、『来年はやめます』とすぐに言い出して、幕引きを図ろうとするのは、国民の感情を逆なでするし、ちょっと小ばかにしているように感じる。歴代通算最長の総理になって、もう十分名前も残したんだから、もう、ここらへんで辞めていただいて、新しい人になるべきなんだろうと思います」
最後に、「桜を見る会」の問題は、与野党で一緒に考えていく問題だと春蝶は語る。
「国民民主党の玉木雄一郎議員は、鳩山政権で開催された『桜を見る会』に自身の支援者を招待したことを認めている。また、立憲民主党の福山哲郎議員は、政府が招待客名簿を破棄したことを証拠隠滅だと問題視しているにも関わらず、鳩山政権で行われた『桜を見る会』参加者名簿に関して問われたら、『我々は（民主党ではなく）立憲民主党だから知らない』と言っているんです。だから、政治家なんていうものは、そういうものであり、与党だろうが野党だろうが、少なからず、みんなやっているわけですよ。だから、僕は左右関係なく、みんな公平に裁いて欲しいって言いたいね」
