ドラァグクイーンのサマンサ・アナンサとネオ昭和アーティストの阪田マリンが木曜日にパーソナリティーを務める番組『Clip』(ラジオ関西、月-木午後1時~)。昭和を愛する阪田マリンが、1980年代の流行語を紹介した。
マリンが紹介したなかでサマンサに最も刺さった流行語は、1989年に新語・流行語大賞の流行語部門・大衆賞を受賞した「こんなん出ましたけど~」。これは、和服姿で紫色の頭巾を被るという衣装が特徴の占い師・泉アツノが占いの結果を伝える際に使っていたフレーズ。
サマンサは、法事などに行った際に、お重を包んでいる紫の布を頭に巻いてモノマネをして怒られたことを懐かしんだ。
泉アツノさんはもともと、占いとは関係のない歌手を目指していて、1939年に宝塚歌劇団に入団。5年後に退団して上京し、作曲家・古賀政男さんのもとに弟子入りして「泉あつ子」の芸名で歌手として活動。
出身地である大阪へ戻ったのち、子どものころから霊感があったことから「泉アツノ」と名乗り、霊感・憑依(ひょうい)を得意とする占い師としての活動をスタートさせた。

「こんなん出ましたけど~」のセリフは、登山家・三浦雄一郎さんを占ったときに良い結果が出なかったため、「こんなん出てしまいまして、すみません」という謝罪を込めて言ったのがはじめとされる。
1980年代末ごろからテレビ出演が増え、泉アツノさんの監修によるおみくじが付けられた「おみくじソーダ」という商品も出るほどの人気ぶりだった。しかし、1990年代末ごろ、親族らから「テレビに出ないほうがいい」との助言を受けたため、その後はテレビ出演を控えるようになったのだとか。
ほかに紹介したのは、1986年の流行語部門の金賞を受賞した「新人類」。それまでの世代とは異なる新しい価値観で行動する若い世代を指す言葉だが、当初は「自分勝手」「皮肉っぽい」といったマイナスイメージが強い言葉だった。
その後、プロ野球・西武ライオンズの清原和博選手、工藤公康選手、渡辺久信選手らが、“物おじしない”という新人類らしい性格で大活躍し、西武ライオンズは日本シリーズで優勝。新人類のイメージは改められ、この3選手が1986年の流行語部門の金賞を受賞した。
「この言葉って流行語大賞やったん?」と驚くサマンサに対し、マリンが「『この人は新人類やな~』と思う人はいますか?」と質問。
サマンサがすかさず、「『阪田マリン』って言うと思って振ってきてるやろ。そんな流れには乗らないよ」と答えると、「確かに私も古風なとこありますしね、ハハハ!」と反応。サマンサからは「どないしたん?」とツッコまれていた。






