ちいちゃいとき、マジックペン(油性ペン)で何かを書こうとしたらオカンによく言われました。「つこたらさっさとフタ閉めんと、すぐに使えんようになるで!」と。

フタを開けっぱなしにしていると、中のインク成分が気化して書けなくなるからだということは何となくわかっていました。ですが、「さっさと書き終えないといけない」と、幼心にむちゃくちゃプレッシャーを感じていたことを覚えています。
そして大人になったいま、疑問に思うのです。「ほんまにすぐなん? 果たして、どれくらい開けっぱなしにしていたら書けなくなるのか?」と。夏休みの工作でよくマジックペンを使っていたこともあり、夏の日に実験してみることにいたしました。
室温は28度。ペン先に風が当たって過度に気化してしまうことを避けるため、エアコンや扇風機などはつけません。新品のマジックペンのフタを開け、画用紙に約3センチメートルほどの一本線を書き、そのままフタを開けっぱなしにしながら10分ごとに線を書いていきます。

10分、20分、30分、40分、50分は難なく書けていたのですが、ちょうど1時間が経ったころ、ほんの少しだけ筆圧を強くしないと書けない(画用紙にインクがのりにくい)状態に。

70分が経ったところでかすれはじめ、80分、90分でかなりかすれてしまいました。そこからさらに経過した100分、110分では、もはや書けるとはいえないレベルに。120分後にはうっすら線が見える程度になり、130分後にはついに何も見えなくなりました。


画用紙にインクはついているものの、かすれていては文字を書けているとはいえません。そのため実験結果としては、フタを開けっぱなしにして書けなくなったのは、60〜70分の間でした。
今回の実験は夏に行いましたが、季節が変わればインクが出なくなる時間も変わると思われますし、もちろん、マジックペンのメーカーやサイズによっても変わると思われます。






