写真撮影の定番「はいチーズ」は日本人に“向いてない”? 使うなら「キムチ」? ワケを専門家が解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

写真撮影の定番「はいチーズ」は日本人に“向いてない”? 使うなら「キムチ」? ワケを専門家が解説

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 写真を撮るときのかけ言葉「はいチーズ」。日本人にはすっかりおなじみですが、撮影時になぜこのフレーズを使うのでしょうか? 使用理由や語源を日本カメラ博物館学芸員・石王さんに聞きました。

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「このフレーズが日本で浸透したのは1963年に雪印乳業(現・雪印メグミルク)のCMで『はいチーズ』と言ったことからではないかと言われています」と石王さん。

 しかしながら、そもそもの発祥は英語圏の国だと言われているのだとか。チーズは食べ物の「cheese」を指しており、特に“chee(チー)”の部分を発音する際、に口角が上がるため海外では撮影時「Say cheese!」と声掛けするといいます。英語では“se(ズ)”の部分ははっきり発音しないため、笑顔に見える“イ”の口形がキープされます。

 ところが日本語の場合は「ズ」までしっかり発音するため、言い切った後の口の形は“ウ”となってしまいます。そうした意味では「はいチーズ」は日本人向けではないのかもしれません。

 ちなみに「はいチーズ」が使われる以前、日本では「鳩が出ますよ」と声掛けされていたと石王さんは話します。これは撮影対象者の目をレンズに向けさせるためのかけ言葉だったとか。

 カメラにまつわる豆知識についても聞いてみました。

●日本でのカメラ使用はいつ頃から?

「幕末志士などの写真が残っているため、その頃すでにカメラの使用はありました。もちもん当時は写真師や写真館もほとんどなく、輸入時に海外のカメラ技師から撮影方法を学んだ人が撮影を行っていたそうです。市販されたのは1903年で、そこから国内に一般流通していったと考えられます」(石王さん)

●カメラの誕生はいつ・どこで?

「1839年にフランスのアカデミーが発表したものが世界初です。そこから10年も経過しないうちに日本に1度渡ってきたそうですが、カメラというものが何かわからず誰も手にしませんでした。その後、鹿児島の島津家に献上され、研究がはじまり国内に広まったといわれています」(石王さん)

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 撮影時のかけ言葉について調べてみると、ほかにも「いちたすいちは?(1+1は?)」「キムチ」「ウイスキー」などが見つけられました。要は最後の口の形が“イ”になればいいということなので、自分の言いやすいフレーズを探してみるといいかもしれません。

(取材・文=堀田将生)

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