兵庫県の南西部に位置するたつの市。城下町の風情と歴史文化が色濃く残る街は「播磨の小京都」と呼ばれ、2019年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。この街並みを含めた“環境”を守り未来につなぐことが課題のひとつであるという同市、昨今話題の「カーボンニュートラル」についても取り組んでいるそう。詳しい話を龍野商工会議所に聞きました。
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いま、全国の企業にとって避けて通れない「カーボンニュートラル」。大手企業では排出量削減の取り組みが加速する一方、中小企業では「そもそも自社のCO2排出量を測る方法がわからない」といった声も多いといいます。
同様の状況は同市にもあり、龍野商工会議所はこの課題に対応するため兵庫県立大学と連携し「カーボンニュートラル社会実現に向けた地域共同プロジェクト」に乗り出しました。大学の知見を活かし、CO2排出量の把握や削減策を企業に提示する仕組みづくりを進めているそうです。

実際にプロジェクトが動き出したとはいえ、課題は山積だといいます。排出量の算定だけでも専門知識が要るうえ、削減には設備投資や業務改善が不可欠。全国的には「カーボンクレジット」取引が制度化されつつあり、今後は排出量に応じてコスト負担が発生する社会が現実味を帯びています。しかしながら、この波に未だ乗り切れていない中小事業者の立場からすると「いきなり制度だけ決められても道筋が見えない」という戸惑いも大きいのだとか。
地域においては、こうした重い課題を「企業・行政に丸投げされるのでは」という懸念もあります。龍野商工会議所は「大学や金融機関と連携し、地域ぐるみで取り組みを進めたい」と語りますが、具体的成果はまだまだと言ったところだそう。伝統産業から製造業まで多様な事業者が集まる同市にとって「カーボンニュートラル対応」は避けられません。地域全体で知恵を出し合い、持続可能な産業構造を築けるかどうかが問われています。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」2025年8月24日放送分より



