大阪・関西万博 ヨルダンパビリオンの砂漠空間が茶室に…大阪府堺市とヨルダンとの交流事業として、堺発祥の伝統文化”茶の湯”をモチーフとしたイベントが11日、開催された。
題して「乾坤(けんこん)茶会」。堺は天下一の茶人・千利休ゆかりの地として知られる。


「乾坤」とは、天地や宇宙を意味する言葉であり、広大な砂漠と星空を疑似体験することができる中東の国・ヨルダンパビリオンの砂漠空間を表す。また、茶会でも用いられる、「一滴潤乾坤(いってきけんこんをうるおす)」という言葉には、「一滴の水が天地を潤す」という、小さな物事でも大きな影響を与えるという意味があり、茶の湯における細やかな気配りの重要性を示す意味もある。


堺市にキャンパスがある大阪公立大学茶道部の学生が点てたお茶や、ヨルダンパビリオンの砂漠空間をイメージした和菓子がもてなされた。
ヨルダンパビリオンは、 世界遺産ワディ・ラム保護区から約22トンの砂を運び込んだ砂漠体験が人気。また、死海のミネラルを使ったエステや異なる色の砂を瓶に詰めたアートの実演もある。


台湾・南投県の景勝地で、湖が美しい日月潭(じつげつたん)出身の29歳の女性は、「砂漠の世界を体験するのは初めて。茶の湯の文化は(日本語や日本文化の学習が盛んな台湾の)中学や高校時代に学んでいたが、とても新鮮だった」と話した。


そして、「和菓子は甘みが強かったが、点てていただいた抹茶のほど良い苦みがマッチする。台湾はお茶の国だが、抹茶を飲んだのも初めて」とほほ笑んだ。






