実は日本発祥? 指導者は全員ボランティア?「少林寺拳法」の知られざる世界を創始者の孫が語る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

実は日本発祥? 指導者は全員ボランティア?「少林寺拳法」の知られざる世界を創始者の孫が語る

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 子どもから高齢者まで、幅広い世代に注目されている武道「少林寺拳法」。競技性よりも“人づくり”を重視したその教えが、令和の時代にあらためて共感を集めているそう。少林寺拳法の本質や他の武道との違いについて、一般財団法人少林寺拳法連盟会長・宗昂馬(そう・こうま)さんに詳しく聞きました。

一般財団法人少林寺拳法連盟会長・宗昂馬さん

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「少林寺拳法」と聞くと、中国武術を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は日本で生まれた武道なのだとか。終戦直後、宗さんの祖父である開祖・宗道臣氏が「人づくりによる国づくり」を理念に創始したそうです。

「よくジャッキー・チェンさんのような中国拳法と混同されますが、私たちの少林寺拳法は日本の武道です。日本武道協議会にも加盟していて、精神修養・護身練胆・健康増進の三徳を大切にしています」(宗さん)

 少林寺拳法には「学科」があるのも特徴です。体を動かすだけでなく、その意味を理解し理念を学ぶことが重視されています。学生時代から道場に通っているという番組パーソナリティーのTOMMYさんも、「理論がしっかりあるので、根性論だけじゃない。今の時代の若い人の考えにもフィットしているのではないかと思います」と持論を展開。

番組パーソナリティーのTOMMYさん

「誰でも」「年齢問わず始められる」のも魅力だそうで、個人の成長に合わせて修練できるといいます。「空手や柔道では“強そう”な人に注目が集まりがちですが、少林寺拳法は違います。パッと見、ひ弱そうに見える子が実は有段者ということも多い。強さだけを求めるのではなく、互いに協力し合いながら『一緒に強くなっていこう』というスタイル」と宗さんは説明。実際に90代で現役の指導者も存在し、70代・80代から始める人も少なくないのだとか。稽古は「所作」や「合掌礼」といった基本的な礼儀から始まり、呼吸を整える「鎮魂行」を経て、徐々に技の修練へと進みます。

 指導者は原則「無給のボランティア」である……これは、他の武道と大きく異なる点です。これについて宗さんは次のように説明します。「戦後の荒れた時代を見て、『このままではいけない。日本人らしさをもう一度取り戻すんだ』という祖父の思いが背景にあります。派手な強さではなく『誰かを守る強さ・自分を強くすること』を通して、将来的には国づくりに貢献できる人間を育てる目的で構成されているため、他の武道とは性質や在り方が異なるのです」。

 日本国内だけでなく世界中に広がっている少林寺拳法。分派が存在せず共通の理念と作法(合掌礼)によって統一された、類まれなる武道と言えます。「少林寺拳法の世界をより多くの方に知ってもらえれば。近くに道場があれば、扉をノックしてみてください。中は想像以上に優しく、楽しい世界が広がっています」とメッセージを発信し、番組をしめくくりました。

パーソナリティーのKanon、一般財団法人少林寺拳法連盟会長・宗昂馬さん、パーソナリティーのTOMMYさん

※ラジオ関西『ハートフルサポーター』2025年9月8日、15日放送回より

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