三味線の“わび・さび”と、エレクトリック・チェロの現代的な音の融合が10月8日、大阪・関西万博のアメリカパビリオンで実現した。


アメリカパビリオンのテーマは、「共創」。この日、三味線発祥の地、大阪府堺市が伝統文化の魅力と日本独自の美意識“わび・さび”を発信した。
アメリカパビリオンも、日本の万博で
風情を重んじる日本の“わび・さび”を設計段階で取り入れ、外壁に木目を生かしている。

三味線はロックからアニメソングまで、ジャンルを越えたスタイルを追求する津軽三味線奏者・打土井拓(うちどい・たく)さん。これまでにも書道、吹奏楽、薙刀(なぎなた)、バレエなど、多種多様なコラボレーション演奏を実現させてきた。
エレクトリック・チェロは、ロサンゼルスを拠点に活動するブリアナ・タムさん。自身の演奏をリアルタイムで録音し、その音を繰り返し(ループ)再生しながら、さらに新しい音を重ねる「ループステーション」を駆使して即興演奏するアメリカパビリオンの専属パフォーマー。


堺市とサンフランシスコ湾東岸のバークレー市が姉妹都市提携を結んでいることから、このイベントが実現。
ライブでは「津軽じょんがら節」「映画『ゴジラ』のテーマ」「風の通り道」のほか、オリジナル曲も披露した。


「電子音と三味線の音、意外に合うんですよ。しかも“音合わせ”は本番前の2回だけ。そこは同じミュージシャンですから」。打土井さんは自信を持って話した。
そして、「私たち和楽器奏者の世界は、横のつながりがないので、こうしたコラボレーションをためらいがち。でも、日米文化の違いを知ることが、自らの伝統芸能を知ることだと思います。大阪・関西万博だからこそ実現できたし、これからの演奏活動にプラスになりました」と話す。
「三味線奏者がパフォーマーと呼ばれる日も近い」と願う打土井さんは、万博を機に新たな可能性を見出した。






