自然の絶景“雲海” 出現のタイミングとは? 気象予報士が明かす「2つの条件」と「ベストシーズン」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

自然の絶景“雲海” 出現のタイミングとは? 気象予報士が明かす「2つの条件」と「ベストシーズン」

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 美しい自然現象のひとつ「雲海」。関西地方では、“天空の城”と称される竹田城跡(兵庫県朝来市)が代表的な雲海スポットとして挙げられます。とはいえ「どんなタイミング」で見ることができるのでしょうか? 雲海のアレコレについて、南気象予報士事務所の前田智宏さんに話を聞きました。

竹田城の雲海・2022年10月(提供:前田智宏気象予報士)

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●雲海とは何か

 山の上など高所から見下ろしたときに雲や霧が一面に広がり、まるで海のように見える状態のこと。雲から顔を出す山々が陸地や島に見えたり、風や空気の対流によって雲が波打ちうねっているように見え、まさに海さながらの景色を描きます。

富士山と雲海。雲がまるで波のように見える

●通常の雲や霧との違い

 基本的には同じものであり、地上からは「どんより広がる雲や霧」に見えます。ただし雲海は雲の中でも特に低い所に層状に広がる「層雲」や「層積雲」と呼ばれ、高度2000メートル以下に発生するものとなります。これらが地面に接している場合は霧となります。

地上から見た雲海(提供:前田智宏気象予報士)

●雲海を見るのによい「時期」

 シーズンは秋から春ごろ。とくに、周期的に天気が移り変わる晩秋は発生しやすくなります。

●雲海が発生するための「条件」

 大きく2つあるといい、ひとつめが「湿気」です。前日に雨が降ったり近くに大きな川があるなど、湿気の多い環境下だと空気中に含まれる水分が多く、発生には好都合なのだとか。ふたつめが「冷え込み」。気温がグッと下がることにより、空気中の水分が水滴となり霧や雲になるためです。前田さんによると、放射冷却現象で夜間に気温が下がる日がとくに狙い目とのこと。ちなみに放射冷却は「夜中によく晴れ風が弱い日」に強まる可能性が高く、さらに前日や当日朝に「濃霧注意報」が出ていればより雲海を目にするチャンスは高まるとか。

雲海を見たいなら気象チェックも忘れずに

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 雲海は太陽の熱で消えてしまうため、見られるのは日の出からわずか数時間だそう。また、雲海が見込まれる日の道中は高確率で霧が出ており寒い場合が多いといいます。移動には十分気をつけ、しっかり防寒対策をした上で見に行く必要があると前田さんは話していました。

(取材・文=堀田将生)

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