特定の食物を食べたことが原因でアレルギー症状を起こす人が増えている。重篤なショック症状を伴うケースも年々増加しており、コープこうべ商品検査センター(神戸市東灘区)は今年10月発行の情報誌「CHROMATO(くろまと)」(Vol.73、2019年秋号)で「ルールを知ろう‼加工食品のアレルギー表示」を特集した。
食物アレルギーとは、食べ物を異物としてとらえ起こるアレルギー反応のこと。ある食物を食べた後、じんましんなどの「皮膚症状」や、鼻や目の「粘膜症状」、呼吸困難などの「呼吸器症状」、血圧低下、意識障害などの「循環器症状」、下痢、嘔吐、腹痛などの持続する「消化器症状」が起こる。血圧低下や意識障害を伴う場合は対応が遅れると命に関わることもある。
これらのアレルギー物質のうち、症例が多く、症状が重篤な、卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かにの計7品目を「特定原材料」と呼び、2004年4月から容器包装された加工食品に表示が義務付けられている。
このほかにもクルミ、いくら、カシューナッツ、大豆、キウイフルーツ、バナナ、ごま、もも、やまいも、さけ、いか、りんご、さば、オレンジ、あわび、牛肉、鶏肉、ゼラチン、豚肉、まつたけの20品目について表示が推奨されている。2019年9月からは新たにアーモンドも加わった。
近年では、同一製造ラインを使用することや、仕入れた原材料が原因で、特定原材料が意図せずに混入するケースも報告され、混入の可能性が排除できない場合には、原材料表示の欄外に注意喚起表示することが推奨されている。
コープこうべ総合品質保証室統括の井川正光さんは「食物アレルギーを正しく理解することで、自分が反応するアレルギー物質を含む食品を避けることができる。ただ、外食や対面販売の総菜などは、アレルギー表示の義務がない。お店の人に確認するなどの注意が必要」と呼び掛けている。
「くろまと」は、コープこうべ商品検査センターのホームページ、「情報ボックス」を開き、「発刊物くろまと」で閲覧できる。