神戸市立王子動物園(神戸市灘区)は20日、同園で飼育していたシセンレッサーパンダのオス「ガイア」(21)が、老齢による衰弱のため死亡したと発表した。国内で飼育されているシセンレッサーパンダの中で2番目の長寿だったという。同園は「これまでガイアを愛し、見守り、応援いただいた皆さんに感謝申し上げます」としている。
ガイアは2004年6月生まれ。2009年4月に王子動物園に来て以降、16年にわたり市民に親しまれてきた。飼育担当者によると、優しく落ち着いた性格で、飼育下における平均寿命約15年を超え、同園で穏やかな日々を過ごしていた。近年は目の疾患のために寝室で過ごす時間が長くなり、昨年夏から一般公開を中止した。心配するファンからガイアの安否を尋ねる問い合わせが相次いでいたという。
シセンレッサーパンダは、国内65施設で233頭を飼育(2024年12月31日現在)。王子動物園にはほかに「ノハナ」(8歳、メス)、「ジャズ」(8歳、オス)がいる。野生では中国南部の亜高山帯の森林や竹林に生息する。体長は約60センチ、尾長約40センチ、体重は4~7キロ程度で、栗色の体毛と尾のリング状のしま模様が特徴。実、竹、昆虫などを食べ、単独で生活、夜行性で木登りを得意とし、昼間は木の上で眠る。
王子動物園は、来場者の献花を受け付けている。希望者は、フラミンゴ池北側の広場にある「動物感謝碑」に花を持参のこと。郵送では受け付けない。問い合わせは同園078-861-5624。




