「外航客船で神戸港にやってきたテロリストが国際イベント会場で爆破をもくろんでいる」。そんな想定による「神戸港テロ対策合同実働訓練」が27日、同港で実施された。26回目となる今年は、不審者の一部が4月に国際化した神戸空港から入ってきたという設定も入れ、近年さらに深刻化するテロ情勢に備えた実践的な訓練が行われた。

訓練には海上保安庁や兵庫県警、神戸税関、大阪出入国在留管理局神戸支局、神戸市消防局、神戸市危機管理局、神戸検疫所、植物・動物検疫所など、神戸港保安委員会を構成する23機関・団体の約50人が参加。海上や岸壁、クルーズ船「ルミナス神戸2」(全長106メートル、総トン数4778トン)を舞台に、迅速な情報共有や対応の手順などを確認した。

岸壁で警備員が不審な小型船舶を発見し、118番と110番通報するシーンからスタート。外港客船にテロリストが乗船、同じ組織の者が神戸空港から入国し、乗船中のテロリストと接触したという設定で、▽海上での不審者対応(海保)▽岸壁での不審者対応(警察)▽船内のチェック、負傷者搬送などの救助(警察・消防)▽入国審査での不法入国阻止(入管)▽税関検査による爆発物探知・処理(税関・警察)などの訓練が行われた。不審者が小型船舶で逃走を図る場面や海上保安部が追跡して捕捉する流れ、警察による制圧など、いずれも実際の現場さながらの緊迫した雰囲気に包まれた。






訓練は約45分で終了。松村謙一・神戸海上保安部長は「事前の準備を何度も繰り返したことによって途切れなく進められた。すばらしい訓練だった。皆さんの日頃の危機管理意識の高さを認識できた」と講評した。





