読めば夢や希望・気づきを与えてくれる「絵本」。同じ絵本作家でも作品ごとにテーマが違い、読み手の感性を豊かなものにしてくれます。そうしたクリエイティブの“糧(かて)”となるものを、作家はどのように得ているのでしょうか。気になった筆者は直接作家にインタビューしました。

☆☆☆☆
絵本作家・たねまをさんによると、「作家それぞれに作品を通して伝えたいことがあり、それに合わせた活動をしている」とのこと。ちなみにたねまをさんの作りたいものは“気付きを得られる絵本”だとか。
そんなたねまをさんにとっての“クリエイティブの糧”は「個性分析」「書記セッション」だといいます。
●個性分析
統計学を用いたISD個性心理学の視点をもとに“自分”について考えるプロセスのこと。対象者の生年月日と生まれた時間から「自身の本質」「集団にいる時の自分」「迷ったり悩んだ時の自分」「憧れる自分」などを動物に例えて分析します。本質的に好きなこと・苦手なことなど、自分を知ることによって他者との違いを理解し対人関係やコミュニケーションに役立てるための心理学なのだとか。

●書記セッション
たねまをさんが対象者と話をしていく中で、こぼれた本音や目標などを絵と言葉で記録。悩みや考えを視覚化することにより「現在の心の立ち位置」を客観的に見つめることができるメソッドです。たねまをさんによると、アウトプットするうちに「次はどうしたいか」「過去に遡って置いてきぼりになっていた感情」が見えてくるため、“いま自分自身に必要なテーマ”の気づきになるのだとか。たねまをさんはセッションの最後に記録シートを渡しており、「引き続き指標を作りたい」と定期的に訪れる人もいるそう。

☆☆☆☆
実際に作家に話を聞くことで、作品づくりの一端を垣間見ることができました。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年12月10日放送回より

〈作家プロフィール〉
●たねまを/2010年から似顔絵を描く仕事を始める。海外での活動や英会話講師などを経て、2024年に絵本『おじゃまします。』を出版。同作品について「心の扉を開け、人の本質を覗いていくお話。もしも、この人はこうだろう……という固定観念があれば『わかっているようで本当は何にもわからないものばかり』という再認識のきっかけにしてもらえれば」と話す。





