【兵庫・淡路島】様変わりしつつある影で持ち上がる「課題」 島出身者が語る“厳しい現実”とは?

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 企業進出や観光客の増加などにより、ここ十数年で大きく変わりつつある兵庫県の淡路島。とはいえ、変化にともなう課題もあるといいます。島にゆかりのある有識者に話を聞きました。

いま淡路島が抱える「課題」とは

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 淡路島でガス供給や住宅関連事業を展開する井本産業株式会社の専務取締役・井本さんは故郷の同島を離れた後、11年ぶりに帰郷。以前とは明らかに雰囲気が変わっていたことについて「淡路市、南あわじ市ともに商業施設が増え、週末だけでなく平日もかなり活気づいています」と述べます。

 淡路島では都市ガスの普及率が低く、多くの家庭がプロパンガス(LPガス)を利用しています。井本さんによると、約6万世帯のうち8割がガスを使用し、その95%がプロパンガスだといいます。LPガスの充填や管理には高度な安全対策が求められ、静電気発生の可能性があるため、携帯電話の使用が制限される場面もあると説明しました。

 1995年の阪神・淡路大震災では、島のガス供給も大きな被害を受けました。当時5歳だった井本さんは地震直後の様子を記憶しているといいます。「震災発生から1時間後には、ほとんどの社員が自主的に会社へ集合し、夜明けとともに取引先をすべて回って確認したそうです」と述べ、復旧には数週間を要したと振り返りました。

プロパンガス

 他の課題として「後継者不足による事業継続難」を挙げた井本さん。実際、島内にはそのような企業が増えているのだとか。「会社の内容も良く、やっていることも素晴らしいのに続かないのはもったいない」と、事業承継の重要性を強調しました。人口減少が続く中、企業規模を問わず承継への取り組みが求められています。

 このことについて井本さんは「淡路島の企業文化」について触れます。これまで島内出身者の採用が主流だったことから、「これからは島外の人とも交流が必要。島外出身の方に働いていただくことも選択肢になる」と述べ、働き方や雇用環境が変化しつつあると指摘しました。事実、観光客や移住者の増加にともない地域の労働構造も変わり始めています。

地元を永らく支えた企業の倒産が相次いでいる

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 いま淡路島では観光の活性化が進む一方で、インフラ負荷や空き家の増加など新たな課題も顕在化しています。こうした背景の中で、地域に根ざす企業がどのように役割を見直し、次世代へ事業を引き継ぐ体制を整えるのかが問われています。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2025年11月24日放送回より

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