西日本初のプロアイスホッケークラブとして誕生した、スターズ神戸。2025-2026シーズンから、アジア最高峰の国際リーグ「アジアリーグアイスホッケー」に新規参入し、歴史的な一歩を踏み出している。このたび、同クラブのアシスタントキャプテン・矢野倫太朗選手がラジオ番組に出演し、リーグ参戦への思いや、チームの現状、そして未来への展望を語った。

スターズ神戸のルーツは1994年。甲南大学体育会アイスホッケー部のOBを中心に、社会人アイスホッケーの愛好チームとしてスタートした。
その後、2024年5月に法人化を果たし、2025年に「スターズ神戸」の名称を引き継ぐ形で、アジアリーグアイスホッケーへの参入を実現。関西、そして西日本のアイスホッケー史に新たなページを刻んだ。(※ルーツとなったクラブは、現在、スターズ神戸クラシックスとして全関西実業団アイスホッケーリーグで活動中)
矢野選手は福岡県福岡市出身。5歳でアイスホッケーを始めたものの、西日本では競技環境が限られていたため、本格的に打ち込むため北海道の苫小牧東高校へ進学。その後、中央大学を経て、横浜グリッツでプロキャリアをスタート。東北フリーブレイズ、H.C.栃木日光アイスバックスを経て、現在はスターズ神戸の一員としてプレーしている。
神戸を本拠地に戦う日々について、矢野選手は「アイスホッケーに触れたことがない方も来てくださっている。初めて見る人も熱い応援を送ってくださるので、僕たちの力になっている」と、街やファンの後押しを実感しているという。
スターズ神戸は、今シーズンここまで、まだ白星を挙げられていない(※2025年12月14日現在、17試合を終えて0勝17敗、PSS=ペナルティショットシュートアウトでの負けが1試合)。矢野選手自身も試合中の怪我で現在は離脱中だが、チームの状況を冷静に受け止めている。
「勝てていないことに対して、率直に悔しい。自分の活躍でチームを勝利に導きたいけれど、それがまだできていないので悔しいし、責任も感じる。ただ悲観的には見ていない」
新規参入チームが簡単に勝てるほど、アジアリーグは甘くない。それでも、試合を重ねるごとに成長を感じていると語る。
「あと何個かのピースがハマっていけば、これから勝ちを重ねられるチームになると思っている」

アイスホッケーは展開の速さが特徴で、わずか2〜3秒で試合が動くこともある。その中で重要になるのが、選手同士のコミュニケーションだ。
「プレー中でもめちゃくちゃしゃべっている。アイスホッケーでは、いい声かけができることも技術の1つと言われるほど」
さらに、チームとしての課題には「勝負どころの強さ」を挙げる。
「ここで1点取れば流れを引き寄せられる、ここを耐えれば変えられる、という場面が何度もある。その流れを察知して、場面に合ったプレーをすることが課題。まだ若いチームだからこそ、経験を積んでいきたい」と話した。
アジアリーグアイスホッケーは、2003年にスタートした国際プロリーグ。今シーズンは日本5チーム、韓国1チームの計6チームが参戦し、来年(2026年)3月までレギュラーシーズンを戦う。
その中で、西日本初のプロクラブとして挑むスターズ神戸。勝利という結果はまだ手にしていないが、何度も接戦を繰り広げるなど、確実に前進を続けている。関西、そして西日本に根付こうとする新たなアイスホッケー文化の行方に、今後も注目が集まりそうだ。
なお、スターズ神戸は、12月27日(土)と28日(日)、レッドイーグルス北海道と苫小牧市のnepiaアイスアリーナで年内最後の試合を予定。2026年は1月10日(土)と11日(日)に横浜GRITSをホーム(尼崎スポーツの森)に迎え、新年の初戦に臨む。





