「年賀状じまい」検討する人が年々増加 変化する“新年のご挨拶” ハガキのやり取りやめる理由とは?

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 時代の流れにともない変化する「文化」。伝統的なものが廃れることもあれば、見直されアップデートされたり、今までに無かったものが新たな文化として広がるケースもあります。

 年賀状もそうした時代の影響を受けている、古き良き文化のひとつ。かつては旧友や職場の同僚・恩師などの近況を知ることができた“コミュニケーションツール”でしたが、年々送る人が少なくなっており、「年賀状じまい」をする人も増えているそうです。

 年賀状じまいとは「翌年以降の年賀状のやり取りを辞退する旨を、最後の年賀状で相手に伝えること」です。その目的としては下記の事柄などが挙げられます。

●年賀状作成の手間や費用を削減し、年末の負担を軽減する

●メールやSNSなど、より手軽な連絡手段への移行を促す

●人間関係の整理や終活の一環

 多彩なアイテムを取り扱う「ハンズ心斎橋店」では年賀状じまいをサポートするグッズも登場しているそうで、「今年で年賀状を終わります」「今年を最後に年賀状での新年のご挨拶を控えさせていただきます」などの文言が記載されたハガキや、その旨をひとこと添えられる文字スタンプがあるとか。

年賀状じまいを伝えるスタンプ(提供:ハンズ心斎橋)

 同店担当者は「年賀状じまいグッズは一昨年ごろから出はじめました。今年は点数・種類も豊富に。ハガキよりもスタンプの方が問い合わせが多い印象です。もしかすると完全に“しまう”のではなく、年賀状を継続する相手・終了する相手を分けたいといったニーズがあるのかもしれません。そういう意味では年賀状じまいの意思を印刷したハガキより、相手によって意向を付け加えられるスタンプが便利なのでは」と見解を述べます。

 年賀状を出す人は年々減少傾向ではあるものの、一方で「年賀状を続けます」という意志を伝えるためのハガキも。やわらかい文体で「これからもお便りします」という旨の文言が添えられています。

年賀状続ける意志を伝えるハガキ(提供:ハンズ心斎橋)

☆☆☆☆

 形は変われど、日本ならではの「新年のあいさつ文化」はこれからも続いていきそうです。

(取材・文=濱田象太朗)

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