2026年の星空は、大みそか(2025年12月31日)から元日にかけて、プレアデス星団が月にかくされるプレアデス星団(すばる)食で幕を開ける。しぶんぎ座流星群は1日から出現しはじめ、4日に極大を迎える。ただ満月が輝いているため、条件は良くない。
三大流星群の1つ・しぶんぎ座流星群は、ペルセウス座流星群やふたご座流星群に比べると、活動が活発な期間が短く、ピークも数時間、また年によって出現数が変わりやすい。2026年は、1月4日午前6時に極大を迎える。空には満月があるが、午前3時頃には1時間に10個程度が予想される。西に傾く午前4時以降が観測のチャンスで、見ごろとなる午前5時頃には、1時間に15から20個程度が予想されている。この日の神戸での日の出は午前7時7分。徐々に明るくなるにつれ、流星も見えなくなる。

流星は、宇宙に漂う1ミリメートルから数センチメートルほどの大きさのチリが、地球の大気に突入して光る現象。しぶんぎ座流星群の場合、大気突入のスピードが遅いことから、見かけのスピードが遅くなり、写真に写る可能性が高いという。
1月7日の未明は、しし座の1等星レグルスが月に隠されるレグルス食に注目。満月から3日経った明るい月に、1.4等のレグルスが隠される。九州北部より北の地域で見ることができる。2026年は3回起こるが、1月が最も条件が良い。神戸では、午前1時16分ごろ、レグルスが月の明るい方の縁から「潜入」し、午前2時6分ごろ、月の暗い部分から「出現」する。「潜入」は明るいため肉眼で見るのは難しいが、「出現」は肉眼でも可能。次は3月2日に起こる。
冬の宵の頃、南の空で明るく輝くのが、おおいぬ座のシリウス。都会など街明かりが多い所でも見つけやすい。明るさはマイナス1.5等で、太陽や月、惑星を除くと一番明るい星だ。地球からの距離は8.6光年と、比較的近いことが、明るく見える理由とされる。その輝きは青白く、表面温度は1万4000度、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」という語源を持つ。古くから注目されている星で、古代エジプトでは、ナイル川の氾濫を教えてくれる星ともされていた。シリウスが位置するのは、おおいぬ座の鼻先、口元ともいわれる。星座神話では、狩人・オリオンが連れている2匹の猟犬のうちの1匹で、オリオンについていくように西へ動いていく。
オリオンが連れているもう1匹の猟犬がこいぬ座で、クリーム色の1等星プロキオンが目印となる。プロキオンには「犬の前に」という意味があり、シリウスより先に昇ってくる。地球からの距離は11.5光年で、1等星ではシリウスに次いで近い。
シリウスと、プロキオン、そしてオリオン座のベテルギウスが、冬の大三角を形作る。そして冬の空にはダイヤモンドもある。ベテルギウスを中心として、シリウス、プロキオン、ふたご座のポルックス、カストル、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、そしてオリオン座のリゲルを繋ぐと、ダイヤモンドの形となる。カストルは2等星だが、同じふたご座のポルックスと見た目の明るさは変わらないので見つけやすい。
ところで夜空を眺めていると、シリウスよりもひときわ存在感を放つ星があるのに気づく。明るさマイナス2.7等からマイナス2.6等の木星だ。10日に衝(地球側からみて太陽と反対側にある)を迎え、一晩中見える。1月3日には満月前の月と並び、30日、31日にも満月前の月と接近する。月明かりがあっても姿を捉えることができる。「双眼鏡を使えば、ガリレオ衛星が見えます。望遠鏡を使えば縞模様や大赤班も見えますよ」と明石市立天文科学館の井上毅館長は話す。
冬の夜空は他の季節よりも星がきれいに見えるとされる。チリやほこりが少なく、空気も乾燥しているため透明度が高いのが理由。さらに21ある1等星のうち8つが冬の空に輝く。肉眼での観察にはいい機会となる。
参考:国立天文台ホームページ 協力:明石市立天文科学館・井上毅館長




