「昭和歌謡」「平成レトロ」など、数年前から若者を魅了しているレトロブーム。そうした中で注目されているのが「ジュークボックス」。料金を入れて曲を選択すると、自動でレコードが再生されるという仕組みの機会です。言うなれば“音楽の自動販売機”であるジュークボックスについて、あらためて調べてみました。
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ジュークボックスの歴史は古く、世に登場したのは137年も前のこと。1889年11月23日、アメリカのサンフランシスコのサロンに初めて設置されたという記録が残っているそうです。
1940年代から1960年代中盤のアメリカで人気を博し、特に1950年代には大流行したとか。当時、レコードやプレーヤーは庶民では中々手に入れられない高価なシロモノでした。そのため“一曲いくら”で音楽を楽しめるジュークボックスは人々の心を掴んだようです。1940年代中ごろは、アメリカで生産されたレコードの実に4分の3がジュークボックスで使われたのだとか。
日本でジュークボックスが知られるようになったのは戦後。進駐軍が日本に持ち込んだといいます。1960年代からは国産のジュークボックスが製造されるようになりました。しかしながら、1980年代になるとCDやカラオケの登場により市場が小さくなり、その姿をどんどん消していきました。

現在も稼働するジュークボックスが存在するのか探してみたところ、兵庫県神戸市のアメリカンダイナーカフェ「Bo Tambourine Cafe」にあるという情報を聞きつけた筆者。同店のジュークボックスは1970年代後半に製造されたものだといいます。
店主の中原清忠さんに実際にジュークボックスを目にしたお客の反応を聞くと、「レトロブームもあって、若いお客さんが珍しがって遊んでくれています。中に入っているレコードは、彼らの知らない曲ばかり。それをネットで調べつつ、選曲するのが楽しいのだと思います」とのこと。
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中原さんによると、港町である神戸はかつてジュークボックスを設置している店が多かったそう。スマートフォン一つで手軽に音楽を聴くことができる時代だからこそ、ひと手間かけることがかえって味わい深く感じるのかもしれません。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2026年1月14日放送回より





