勉強や仕事において「集中力が保てない」「やる気が起きない」と思うことはないでしょうか? なかなか自分で改善することができず、うまくいかないと落ち込んでしまうこともあるのでは。どうすれば集中力を高めることができるのか、明治大学教授で『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード……科学的に証明されたすごい習慣大百科』著者の堀田秀吾さんに聞きました。

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●音楽は作業効率をアップさせる?
【堀田教授】俗に「モーツァルト効果」と呼ばれ、好きな音楽を聴きながら作業をすると空間推論能力が一時的に向上するなど、パフォーマンスが上がるというものです。
ウィンザー大学のレシュクの研究では、音楽を聴くことでポジティブな気分が高まり、仕事の質も向上すると述べています。一方で、音楽がないときは気分も低下して仕事の効率が落ちるという結果が出ています。さらに、仕事の継続時間が最も長くなるのは音楽がない場合だったそうです。

●モニターよりも「紙」で読む方が頭に入りやすい
【堀田教授】スタヴァンゲル大学のマンゲンらの研究では、紙とモニターで見るPDFで読解力を比較する実験が行われました。72人の10年生(日本でいう高校1年生)に物語文と説明文の読解問題などを出題し調査したところ、紙で読んだほうが内容に入りやすく、理解度も高く、覚えやすいという結果が出ています。論文を電子デバイスで読むと、スクロールによって自分がどこを読んでいるのか空間的な把握が難しくなるためとされています。

●物事を取り組む前に「ひと笑い」
【堀田教授】キリン中央研究所の山越らは、40〜65歳の成人25人に約4分の『よく笑える動画』と『笑いが少ない動画』を別日に見てもらい、そのあとで『集中しやすさ』と『ストレスの出方』を比べました。その結果、笑える動画を見たあとは注意力のテストで反応が少し速くなり、集中力がほんの少し上がる可能性が示されました。また、前頭葉の働きを見たところ、動画を見ている最中よりも見終わったあとに課題へ取り組んでいるときに、笑える動画のほうが活発に働いていました。心拍のゆらぎや本人の評価では、ストレスが下がる方向の変化が報告されています。

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集中力を高めるための方法は意外にもシンプルでした。今回紹介されたものは、簡単に実践できるものばかりなので試してみるといいかもしれません。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2026年2月3日放送回より





