星空観察にとって2026年最大のイベントともいえるのが、皆既月食。3月3日のひな祭りの日、しかも観察しやすい時間帯に起こります。2026年は日食・月食がともに2回ずつありますが、日本で見られるのは、この日の皆既月食だけとなります。

月食は太陽に照らされてできた地球の影の中に月が入る現象で、太陽・地球・月(満月)が一直線に並んだ時に起こります。満月の度に起こるわけではないのは、地球の軌道に対して、月の軌道が少し傾いているからです。
3月3日、神戸では、17時47分に月が昇ります。18時50分、月は東の低空で欠けはじめ、部分月食が始まります。月全体が地球の影に入るのは20時5分。皆既の状態は22時17分まで59分間続きます。その後、月は徐々に光を取り戻し、22時17分に食が終了、満月に戻ります。
皆既の状態になると、月は全く見えなくなるのではなく、赤銅色に見えます。月食ごとに、その色の見え方や明るさは異なります。これは大気の状態がその時々によって変わるためです。皆既中も、色や明るさに変化が起こります。その色を観察したり、月が暗くなったことで見える星を探すのもいいかもしれません。
明石市立天文科学館の井上毅館長は、「観察では双眼鏡がおすすめです。最近はスマートフォンのカメラの性能が上がっているので、月食中の写真を撮ると星も写ると思います。月食が終わった後に撮影して空の暗さの比較をすると面白いかもしれません。とにかく晴れることを願いますが、ダメなら各地の中継を楽しみましょう。月食のタイミングは世界中で同じです」。同館では、3日18時30分から明石公園西芝生広場で観望会を行うほか、ライブ配信も予定しています。
なお今回の皆既月食は、2025年9月8日以来で、次は2029年1月1日の未明、新年を迎えてすぐのタイミングで起こります。

ひな祭りの前日、3月2日にはレグルス食が起こります。しし座の1等星・レグルスが月に隠される現象で、2026年中に3回起こるうちの2回目です。今回は鹿児島県の南部と沖縄県を除く地域で見られます。大阪では20時29分にレグルスが月の明るい方から潜入、21時23分に月の暗い方から出現します。この日の月は、満月直前の明るい月なので、肉眼で見るのは難しそうです。鹿児島県以南では、レグルスが月のすぐ近くを通る様子が観察できそうです。
3月8日には、金星と土星が大接近します。3月上旬から中旬にかけての夕方、金星は西の低い空で輝きます。その近くには土星が見えます。金星は日を追うごとに高度が上がり、土星は高度を下げていきます。2つの惑星がすれ違うのが8日で、「大接近」。低い空での現象のため、空が開けた場所でないと、観察は難しいかもしれません。また、土星も肉眼で見るのは難しいかも。双眼鏡を用意して、マイナス3.9等の明るい金星を頼りに土星を探すのがいいそうです。




