北欧諸国は「極寒の屋外」で子どもを寝かせる!? なんで? ←データに基づく理由が存在 識者が解説

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 世界には子どもの健康や幸せを願うさまざまな風習や文化が存在しますが、北欧諸国では「赤ちゃんを外の空気にあてる」という習慣があるのだとか。一体どのようなものなのか「アイディアパズルデザイン事務所」の木須さんに詳しく聞きました。

北欧では冬でも屋外で子どもを寝かせる?(イメージ)

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 木須さんによると、この習慣は生後2週間〜1ヶ月頃から3歳くらいまでの子どもを対象に、北欧全域のほかエストニアなどのバルト諸国で一般的に実施されているそう。具体的にどうするのかというと、赤ちゃんが昼寝をする際に家の中ではなくベビーカーに乗せた状態でバルコニーや庭、あるいはカフェの店外などに置いて寝かせるといいます。その時間は1.5時間〜3時間ほど、なんと5時間という場合もあるとか。

 何かしらの儀式やイベントと思いきや、北欧では日々の生活に組み込まれた「日常的ライフスタイル」だと木須さんは説明。この文化の起こりは20世紀初頭で、結核が流行した際に「屋内の淀んだ空気よりも、外の新鮮な空気の方が肺を強くし免疫力を高める」という医師の推奨から始まりました。それが現代でも行われ続けており「外気は睡眠の質を上げ、風邪を引きにくい体を作る」と広く信じられているそうです。

 実際、フィンランドの研究では「室内よりも屋外で寝る方が睡眠時間が長く、深い眠りにつける」というデータも出ているとか。「北欧には『Friluftsliv(フリルフスリフ=オープンエア・リビング)』という、自然の中で過ごすことを何より尊ぶ哲学があります。赤ちゃんの頃から外の空気に触れさせることは、自然の一部として生きる力を養う教育の第一歩と考えられているのです」と木須さんは話し、「健康管理と自然共生」という実用的な意味合いが強いと強調しました。

北欧諸国では、外の空気は体に良い効果をもたらすとされている(イメージ)

 とはいえ子どもは薄着で放置されているわけではなく、高性能なウールの肌着やダウン素材のスリーピングバッグを着用し「顔以外はポカポカ」の状態をしっかりキープ。また、ベビーカーの中に温度計を入れたりベビーモニターで常に呼吸や泣き声を確認しつつ、万全の状態のもと大人が近くで見守っているとか。

子どもはしっかり保護・保温された状態で外に出される(イメージ)

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 赤ちゃんを極寒の外気に晒す……と聞くとつい「大丈夫かな?」と心配になってしまいますが、入念な準備や配慮のもと行なわれていることが分かりました。

(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】アイディアパズルデザイン事務所
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