「ワザと空振りするのはなぜ?」「いつ始まった?」 ←調べてみたら続々出てきた“始球式のトリビア”

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 ベネズエラが初優勝を飾り、大きな盛り上がりのうちに幕を閉じたWBC。日本チームは大谷翔平選手をはじめとする各戦士たちの素晴らしいプレーで日本中を感動の渦に巻き込みました。日本で60年ぶりに天覧試合が行われ、そこで始球式を務めたのが元プロ野球選手の松坂大輔さん。2006年・2009年のWBCで活躍した侍ジャパンのユニホームで登場し、場内が大きく湧きました。

 さて、野球でおなじみともいえるこの始球式ですが「いつ始まったのか」など前々から疑問に思うことが多々あった筆者。そこで野球ユニフォームメーカーの「ファンゴ」に取材し、始球式のアレコレを聞きました。

始球式
(イラスト・とり町)

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●始球式の誕生はいつ?

 日本で始球式の文化が誕生したのは1908年(明治41年)。日本にプロ野球が誕生する20年以上も前のことでした。当時の日本では、野球と言えば「六大学野球」。アメリカからメジャーリーグ選抜チームが来日し、早稲田大学野球部と試合をすることになり、初の始球式が行われたのです。

●日本初の始球式を務めたのは「大隈重信」

 このとき、ピッチャーマウンドに立ったのは早稲田大学の創設者・大隈重信。羽織袴に野球帽をかぶった姿でマウンドに登場しましたが、すでに70歳を超えており投げたボールは途中で落ち、バウンド。ストライクゾーンには到底届かなかったとか。

●始球式のバッターはなぜ「空振り」する?

 大隈重信の球を迎えるという重要な役割を任されたのは同大学野球部の生徒でした。バッターボックスに届かない球でしたが「先生に恥をかかせてしまってはいけない」と機転をきかせ大きくスイングし、わざと空振りをしたそうです。ここから日本独特ともいえる「始球式は空振りする」という暗黙のルールが始まったと言われています。

●他国の始球式

【アメリカ】最初の始球式は1910年4月14日に行われたセネタース対アスレチック戦。当時の大統領だったウィリアム・タフトが投げたと言われています。マウンドには立たず、観客席からボールを軽く投げ入れるというものだったそう。近年では投手がマウンドから捕手に向かって投げるスタイル(打者は立たない)に変化していますが、日本よりもセレモニー感が強く投球そのものが主役となっているようです。

【韓国や台湾】ド派手なエンターテイメントとして行われる。

【メキシコやカリブ諸国】政治家の権威付けの場として利用されるケースもあるとか。

●始球式でのユニークなシーン

【犬が務める】2024年8月29日、アメリカで行われたドジャースの大谷翔平選手の愛犬「デコピン」が登場。ドジャースのユニホームに身を包んだデコピンがボールを口にくわえ、主人の待つホームへ駆け出しボールを届けました。

【まさかのデッドボール】2022年7月1日、札幌ドームで行われた日本ハム対オリックス戦。WBC侍ジャパンの監督を務めた井端弘和さんがでマウンドに上がり投げたものの、球はワンバウンドしオリックス・福田選手の脚に当たるという、まさかの結末に。

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 実に110年以上受け継がれている日本の始球式。いよいよプロ野球が開幕しますが、始球式にも目を向けてみるといいかもしれません。

(取材・文=竹谷裕介)

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