神戸市須磨区の須磨浦山上遊園で3月18日、園内の乗り物「カーレーター」の営業開始60周年を記念した除幕式が開かれた。
カーレーターは、山陽電気鉄道が運営する同園で1966(昭和41)年3月18日に運行を開始。ロープウェイの鉢伏山上駅と山頂を結ぶ乗り物で、2人乗りのかご型の座席が連なり、傾斜をゆっくりと登っていく。全国でも現存するのは同園のみとされる珍しい乗り物で、昭和レトロな雰囲気と独特の乗り心地が人気を集めている。
この日は、60周年を記念した特別仕様のカーレーターの除幕式を開催。赤いちゃんちゃんこをまとったデザインが披露され、新たな節目を祝った。


同園のカーレーターはかつて、エスカレーターへの転換も検討されたが、「日本唯一、世界唯一の乗り物というのを、地道に皆様にPRしていくことで、このカーレーターを維持していこう」との思いから存続が決まった経緯があるという。近年は昭和レトロブームやSNSでの発信、訪日客の増加などを背景に利用者も増えており、山陽電気鉄道の伊東正博社長は「時代がついてきてくれたのかな」と笑顔でコメントする。
「60年という長きにわたり、多くの方に利用いただき、感慨深い。安全を最優先に、これからも70年、80年、100年という時を迎えられるように、頑張っていきたい」と気を引き締めるとともに、「世界で唯一の乗り物で、乗り心地も日本一悪いと言われていますが、必ず『うわーっ!』という声をいただきながら、最後は笑顔でお帰りいただいている。そういった楽しい施設になっておりますので、ぜひ皆々様、ご来園をいただければ」と呼びかけた。
記念の日に訪れた来園者は「降りるときの衝撃がすごい!」と、“日本一乗り心地の悪い”乗り物の触れ込みを楽しんだ様子。夫婦で3~4回ほど訪れたことがあるという男性は、「最初、こんなガタガタした乗り物があるのかと衝撃だったが、いまや、これぞカーレーターという感じ。ちゃんちゃんこの次は何があるのか、期待しながら長生きしたい。また来ます!」と笑顔で語った。


カーレーターをはじめ、ロープウェイ、リフト、サイクルモノレールなど、長らく維持、活用し続け、近年、注目を集めている須磨浦山上遊園について、「ひとつの神戸の西部地域のシンボル」と胸を張る伊東社長。家族連れや遠足などで訪れる子どもたちに向けては、「自然も豊かなところでもありますし、子どもたちにとっては、こういうカーレーターのような乗り物は、昭和レトロというよりも、他に見ない新しい乗り物と映ることもあるのかなと思います。今の自動化されたようなものばかりではなく、『こういう昔ながらのものでも、素晴らしいものがあるんだよ』とPRできれば」と述べていた。
なお、園内では記念イベントも実施。カーレーターに乗車した先着5000人にオリジナル付せんを配布したほか、須磨浦ロープウェイには記念デザインのヘッドマークを掲出。さらに、記念乗車券やグッズの販売も行っている。赤いちゃんちゃんこをまとったデザインのカーレーターは、5月31日までの期間限定。






