“聖地巡礼”したくなる! 長田が舞台の新作映画「ただいま、鉄人。」初試写会 鑑賞した出演俳優も涙

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 神戸市長田区を舞台にした新作映画「ただいま、鉄人。」の初号試写会がこのほど同区内で開かれた。初号試写とは通常、完成前に関係者が映像の内容などを確認するためのものだが、どんな映画になるのかをいち早く地元の皆さんに見てもらおうと企画され、集まった約60人を前に上映された。

新作映画「ただいま、鉄人。」の初号試写会。劇中でも、実際にも、鉄人28号モニュメントは新長田の心象風景だ(2026年3月28日午後、神戸市長田区) (C)光プロ/KOBE鉄人PROJECT2026

 同作は、地域のシンボル「鉄人28号モニュメント」を起点に、人と人とのつながりやまちの再生を描いたオリジナルストーリー。JR新長田駅(同区)南部の再開発ビルなどを管理する「新長田まちづくり株式会社」が地域活性化を目指して製作した。阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして2009年に建設された鉄人28号モニュメントを軸に、モニュメント周辺で育った子どもたちが大人になり、それぞれの道で試行錯誤しながらも、地元での再会を経てリスタートする物語だ。

 映画は新長田地区で2025年10月から11月にかけて撮影された。下町の温かい人間関係やどこか懐かしい日常風景を丁寧にすくい上げ、魅力あふれる映像に仕上げた。地元で愛されている洋菓子店やお好み焼き店、理髪店、昭和レトロな商店街などが登場、“聖地巡礼”したくなるシーンが続くのも特徴だ。さらに、ふだんは見ることができないケミカルシューズ工場の様子や震災の語り部として活動することに生きがいを感じる若者の描写、モニュメントが完成した際の実際の映像もあり、地元産業の特色、震災を越えてきた地域の歩みもよく分かる。

【ロケ風景】お好み焼き店
【ロケ風景】靴メーカー
【ロケ風景】理髪店前
【ロケ風景】阪神・淡路大震災の語り部

 神戸市長田区の「Art Theater dB KOBE」で開かれた試写会には、約60人が来場した。スクリーンに映し出される場面ごとに、笑顔が広がったり、涙ぐんだり、ほっとした雰囲気になったりと、会場は終始温かい一体感に包まれていた。

 上映後、キャストらが登壇、それぞれが作品について述べた。俳優の村山恵斗さんは、「演じている時から『本当にやさしい映画だな』と思っていたが、まさか自分自身が出演している作品で泣くとは思わなかった」と吐露。「この映画や新長田のまちを通して、見ていただく方に人の温かさを知ってもらえたら」と話した。

 俳優の橋本佳奈さんは「(作品中に登場する洋菓子店の)『たぬきケーキ』を意識して、衣装は茶色をベースにしました」と明かし、「ロケでたくさんのお店や新長田の皆さんにご協力いただき、映画ができた。今日こうして地域の皆さんと一緒に作品を見られたことに感謝します」と客席に語りかけた。

初号試写を終えてあいさつする出演者たち
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