「できないからってあきらめないで」 坂本花織さん、次世代へメッセージ 指導者として新たな一歩

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 フィギュアスケート女子で世界選手権4度優勝を果たした坂本花織さんが13日、神戸市内で現役引退会見を行い、次世代を担う子どもたちへの思いを語った。

坂本花織さん(写真:ラジオ関西)

 今後はアイスショーへの出演を続けながら、将来的にはコーチ業にも本格的に取り組む予定。自身が目指す指導者像について、「(恩師の)中野(園子)先生みたいな先生になりたい」と話した。

「技術だけじゃなく、人間性の部分でもしっかり伝えられる先生になりたい。まだ自分も未熟なので、これからも学びながら後輩たちに教えていけたら」と語った。

 競技人生では数々の栄光をつかんだ一方、決して順風満帆ではなかった。

「自分もめちゃくちゃ器用ではなく、何でもできるタイプではなかった」と振り返り、「今では“花織といえばダブルアクセル”と言ってもらえるけど、跳べるようになるまで2年くらいかかった」と明かした。

 そのうえで、子どもたちへ向けて、「できないからって、すぐあきらめないでほしい」とメッセージ。「できる人に教えてもらったり、試行錯誤しながらやってきた。周りが何と言おうと、自分がスケートをやりたい、勝ちたいと思うなら、一生懸命やるしかないんだよというのを伝えたい」と力を込めた。

 また、競技生活を支えてくれた存在として、中野園子コーチとグレアム充子コーチの名前を挙げ、「先生方が“次はこれを目指そう”と、頑張れば届きそうな目標を常に示してくれた。それがここまで続けてこられた一番の理由だった」と語った。

 坂本さんは現役時代、明るいキャラクターでも親しまれた。笑顔の秘訣を問われると、「無理やり笑顔を作っているわけじゃなくて、今の状況が楽しくて笑っている」と説明。「納得いかないことがあったときや、練習でも試合でも泣きますし、今シーズン特に、いっぱい泣いてきた。でも、泣くのはその日だけにして、『こうなってしまったのは仕方ないから、『もうやるしかない!』という気持ちで、次に切り替える。暗い気持ちだと、どんどんマイナスな方向に引っ張られてしまうので、『ここから勝ち上がれたら、自分、かっこいいんじゃない?』みたいな感じで、ポジティブにいつも考えて『よし、やるか!』っていう感じでやってます」と笑った。

 最後に、自らがコーチ、先生として教えていきたい大事なことについて問われた際には、「ありきたりな言葉になってしまうが」と前置きしつつ、「感謝の気持ちを忘れないことが大前提。(レッスンは)相手の貴重な時間を自分に費やしてくれているということ。そこにはしっかり感謝の気持ちを持たないと失礼になる。そういうのは子どもたちにもしっかり伝えていきたい」と、これまでの経験と指導者への感謝を踏まえてコメントしていた。

 いま、坂本さんが携わるリンクでは、スケート教室に通う子どもたちが増えているという。「せっかく来てくれた人を手放さないように、もっともっとスケートを好きになってもらえるように、最初はスケートは楽しいんだよというのを小さい子たちにどんどん伝えていければ」と、指導者としての抱負を語っていた。

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