宝塚市安倉西の住宅で4日、家族ら4人がボーガンで撃たれ3人が死亡した事件で、伯母に対する殺人未遂の現行犯で逮捕された男(23)は、兵庫県内の私立大学4年生とされていたが、兵庫県警・宝塚署捜査本部が無職と訂正した。
■学費未納で大学除籍に
捜査関係者によると、男は学費未納で2019年9月末付で大学を除籍されていたという。男は除籍について取り調べ官から伝えられるまで知らなかった。そして「じゃあ無職ですね」と答えたという。
■殺傷能力高い大型ボーガン、5本の矢撃つ
また犯行に使われたボーガンが外国製で幅約70センチと、大型で殺傷能力が高いことが捜査関係者への取材でわかった。男は、宝塚市安倉西の住宅に祖母(75)と弟(22)と一緒に住み、別居している伯母(49)と母親(45)を電話で自宅に呼びつけて襲ったと供述している。そして「最初に祖母を撃ち、その後、弟、伯母、母親の順に撃った」と話したという。撃った矢は5本。祖母、母親、弟が死亡した。捜査本部は容疑を殺人に切り替え、ボーガンの購入時期など動機の解明につながる事実関係を調べる。
■弟に2本の矢、1本目は致命傷に至らず
捜査関係者によると、いずれも背後から至近距離で撃ったとみられるが、弟への攻撃が一番大きかったという。弟に放った2本の矢のうち、1本は右耳付近に刺さり、もう1本は左目の上部と左後頭部との間を貫通。死因は出血性ショックだった。弟は発見時、周囲に血だまりがあった。傷跡の状況から後頭部を撃たれて額から突き出た矢が引き抜かれた後、もう1本が撃たれた可能性がある。