大きな災害などが起きた際に、走行中のタクシーの乗客らの緊急避難場所として車の販売店を活用できるようになり、そのフレンドシップ協定を一般社団法人兵庫県タクシー協会と兵庫県トヨタグループが結んだ。兵庫県トヨタグループはトヨタカローラやネッツトヨタ、トヨタレンタリースを含む県下の12社。
この協定では、トヨタ側からは大震災などが起きた際、走行中のタクシー乗客や乗務員の緊急避難場所として兵庫県内の店舗を提供。また可能な限りにおいて化粧室や備蓄飲料水等も提供する。タクシー協会側からは、最新の地域災害情報や道路状況を、タクシー無線などを通じてトヨタ側に提供する。
兵庫県タクシー協会は今年の3月に西日本では初めて兵庫トヨタや神戸トヨペットと同じような協定を結んでいる。
13日に神戸市内で行われた調印式で、兵庫県タクシー協会の吉川紀興会長は「タクシーは公共交通機関の一員として、安全安心でなければならない。今回の協定によりお客様や乗務員の安全の確保はもちろんのこと、安心が一つ増した。兵庫トヨタには大変感謝している」と述べた。また、兵庫トヨタの瀧川高章社長は「3月の協定では2社だったのが、今回はオール兵庫トヨタでの協定となり店舗数が格段に増えた。災害が起こらず使われないことが一番だが、万が一の時、乗務員の方に『トヨタ』の看板を見つければ避難ができると認識していただくことが大切なことだ」と話した。
今回の協定には人材確保に悩むタクシー業界の活性化につながるよう、災害時だけでなく日常的にトヨタ店舗の化粧室を女性のタクシー乗務員や乗客に使ってもらうことも盛り込んでいる。