サッカー・J1のヴィッセル神戸MF郷家友太が、11日、オンラインでの囲み取材に応じた。前日の10日に21歳になったばかりの万能プレーヤーの誕生祝いは、いつもと様子が異なっていたという。
「練習が終わったあと、ソーシャルディスタンスを守りつつ、自分で顔にパイを投げるという、ちょっと意味わかんない(笑)こともした。こういうことがなければ、もっとみんな僕のことをくしゃくしゃにしていたと思うが……」と、コロナ禍のなかでのこその祝福となったようだ。それでも、「アンドレス(イニエスタ)からも直接おめでとうと言われたし、練習前に(小川)慶治朗くんや壮くんとかも言ってくれたり(みんなに)祝ってもらった」と、チームメイトからのハッピーバースデーメッセージに感謝していた。
チーム練習ができない外出自粛期間中は、「1日1時間半くらい家で筋トレして、外で走って、近くの広場でマスクをつけてひっそりとボールをさわるという生活だった」。それでも、「最低限なんでもできるジムをつくりたい」と自宅に器具を揃えたなか、「腕が太くなったといわれたり、首を鍛えていないのにいろんな人に首が太くなったといわれたり……(笑)。あと、お尻の周りの筋肉とかついてきたので、身体があたったときとか倒れないようになったり、バランスを崩すことは少なくなった」と、自分で行ったトレーニングの効用も出ているようだ。
7月4日のJ再開に向けて、チームとともにトレーニングに励む郷家。「練習が始まって、日程も決まってきて、今はすごくいい雰囲気で練習できている。久しぶりにみんなでサッカーをして、すごい幸せに感じる。試合はまだ先だが、徐々に戦術の確認だったり、心肺的なトレーニングもやれているので、すごく充実した練習(の日々)を送れている」と、サッカーができる喜びをかみしめながら、順調に調整に励んでいる。
改めて再開後の今シーズンの目標を問われた際には、「すごい過密日程になるが、1試合1試合本当に大切ですし、夏に連戦があることも含めて、若手の力も必要になってくる。今年1年、結果にこだわっていきたい」とコメント。本職のMFだけでなく、時にはボランチやサイドバックでもプレーするなど、複数ポジションをこなせる特長も持つだけに、チームとしては貴重な存在といえるが、「どのポジションでも結果を出したい」と、出番にどん欲だ。そのうえで、「7ゴール7アシストをまずは最低ラインに、その目標を有言実行できるようにやっていきたい」と具体的な数字もあげていた。
そして、ファン、サポーターに対しては、「きれいなサッカーだけじゃなく、がむしゃらさを見てもらえれば、スタジアムに来られないサポーターにも熱さが伝わると思う。スタジアムに行けずつらい思いをしている方もいるかもしれないが、熱いプレーを見せて、元気づけられるようにしたい」とメッセージを送った郷家。ピッチで闘争心をむき出しに、ひたむきにプレーする27番の姿が、今から楽しみだ。