神戸西警察署の幹部らが3月下旬に神戸市内の居酒屋で懇親会を開催し、当時の署長や副署長ら出席者が相次いで新型コロナウイルスに感染したとされる問題で、兵庫県警が本部長による厳重口頭注意処分とする方針を固めたことが関係者への取材でわかった。処分対象は当時の署長と副署長。15日付で行うという。
懇親会は3月27日に開かれた。政府による兵庫・大阪・東京など先行する7都府県に向けた緊急事態宣言の発令前だった。出席した5人が感染し、署内の感染者は出席者を含め12人にまで広がった。署長と副署長は交代した。
署内では幹部が署長室などに一堂に会して朝礼など短時間の打ち合わせもあったため、懇親会とクラスター感染との因果関係は不明のまま。兵庫県警は当初、回復後に2人を署長と副署長に戻すとしていたが、5月末までに約700件の批判や意見が寄せられたほか、署内の業務への影響を鑑みて、2人は処分後に別の部署へ異動させる。
神戸西警察署ではクラスター感染により一時的に全署員の4割に当たる約140人が自宅待機となり、感染リスクを避けるために窓口業務を庁舎外で実施するなどの影響が出た。