2020年に欧州デンマークの「デニッシュ F4 チャンピオンシップ」にフル参戦する、野田樹潤さん。日本人最年少フォーミュラ・カー・ドライバーとなる「Juju(ジュジュ)」のデビューが、いよいよ6月20日、21日に迫った。これまでの練習走行では、コースレコードを更新するなど絶好調で、「アジアからやって来た14歳の少女レースドライバー」への注目は現地でも高まっている。
今年1月下旬に渡欧したJujuは、約1か月をかけてスペインやイタリアのコースを走り、経験を積んだ。3月には拠点となるデンマークに戻り、本番用のマシンのセットアップに取り掛かった。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大はデンマークでも猛威を振るい、マシンのシェイクダウン(チェック走行)に入ってからも、コースを使用できるチームの数や人数が限られるなど、多くの制約のなかで調整を進めてきた。
それでも、開幕戦の舞台となるはずだったパドボーグパーク・サーキットでの4月の走行では、雨の中でトップタイムをマーク。その後、道路が乾いたコンディションでは2番手に大差をつけ、2019年のレースでポールポジションを獲得した予選タイムをも上回るなど調子を上げていた。
それだけに5月の開幕戦延期は残念な展開となったが、チームは「新型コロナウイルス感染の深刻な影響を考えれば想定内」と冷静に受け止め、集中力を切らすことなくマシンの調整を継続。Jujuも楽しみにしていた現地の学校が休校になるなど、在宅での生活を余儀なくされたが、トレーニングに励むなど準備を進めてきた。
元F1レーサーで、父親であり監督でもある野田英樹さん(51)は「レースは、本番までに結果の7割が決まっている。それまでにどんな準備をしたか。本番はこれまでやってきたことの9割を出し切る。それで勝てる状況に仕上げることが大切。Jujuにとっては大変な経験だったがメンタル、フィジカルの両面で成長した。あとはチーム一丸となって最善を尽くす」と話している。