欧州デンマークで開幕した「F4 デニッシュ チャンピオンシップ」で、女子中学生レーサー、「Juju(ジュジュ)」こと野田樹潤さんが見事に優勝した。ポールポジションからレースを引っ張り、先頭でチェッカーフラッグをくぐるポール・トゥ・ウインの鮮烈デビュー。圧巻の走りを世界のレースファンに印象付けた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2度も延期され、6月21日に無観客で開かれた開幕戦。切れそうになるモチベーションを維持しながら迎えた初戦の舞台は、デンマークでもっとも難しいとされるユトランドリンク。コンディションが異なる新旧2つのコースを組み合わせた複合コースで、しかも練習走行が認められないぶっつけ本番。
元F1レーサーで、チームの監督を務める父の野田英樹さん(51)は、「新旧のコースで路面状況が全く異なり、マシンの設定をコースに合わせきることは不可能。あとはJujuのセンスに任せるしかない」と話していた。
予選では2位についたが、トップがペナルティを受け、繰り上げでポールポジションを獲得。「スタートからゴールまで絶対に気を抜かない」ことを自らに言い聞かせて本番に臨んだJujuは、持ち前のセンスでコーナーを攻め、見事ガッツポーズでゴールした。
今年2月に14歳になったばかり。日本国内では敵なしだが、年齢制限で国内の公式レースに参戦できないことから、欧州のF4シリーズ参戦を決意した。
「私は13歳でカートに乗り始めたが、3歳からカートに乗り、レースを経験してきたJujuは同じ13歳ですでに10年選手。そのセンスは疑う余地がない」。今年1月、兵庫県尼崎市内のホテルで開かれた壮行会で野田英樹さんは、詰めかけたファンにこうあいさつしていた。
その期待を一身に集めてのデビューウイン達成。Jujuは「ヨーロッパ初のレースでこんな結果が出せるなんて最高です。スポンサーの皆さま、たくさんの応援メッセージをいただいたファンの皆さんに感謝します」と話した。