サッカー・J1のヴィッセル神戸FW藤本憲明が、24日、報道陣とのオンラインでの囲み取材に応じた。Jリーグ戦再開初陣となるサンフレッチェ広島戦(7月4日、ノエビアスタジアム神戸)に向けて、「昨年悪い負け方をしている相手。相手のいいところを消しつつ、自分たちのいいポゼッションサッカーを見せるのも大切。あと10日あるので、みんなで(やるべきことを)共有したい」と意気込みを語った。
「中断期間もしっかり動けたし、練習試合でゲーム感も戻った」という藤本。チーム練習が再開となってから約1か月となり、新たな日程も決まったなか、7月からの公式戦に向けてチームとともに調整を続けている。直近の練習試合では、「45分出て、得点はなかったが、久々にフルのピッチでできた。動き出しの感じもつかめてよかった」と、手応えもつかんでいるよう。夏場をはじめ、これからはタフな連戦が待っているが、「連戦なので、必ずチャンスがくると考えている。チャンスでいかに仕事をできるか、得点できるか、ゴールに絡めるかが大事。ゴールするためにも、練習期間を大事に、しっかり(チームと)あわせていきたい」と、周囲との協調に重点を置く。
藤本といえば、今年元日の天皇杯決勝での活躍とともに、そのときの名言「ラッキーボーイでーす!」に代表されるような、明るいキャラクターも特長。また、昨シーズン、ヴィッセルでは得点時に、手で憲明の「N」ポーズを見せるなど、ゴールパフォーマンスも注目の1つだ。
ただし、再開後の序盤戦は無観客でのリモートマッチになり、その後も制限が入ったなかでの試合を余儀なくされる。そのなかで、お茶の間に届ける新たなゴールパフォーマンスは考えているか、報道陣から問われた藤本は、「まだ考えてはいないが、無観客試合を想定してトレーニングマッチ(練習試合)とかやっている。(声援がないなど)ちょっと雰囲気というところは欠けると思うが、そこは関係なく自分たちのやれることをしっかりやれば勝ちにつながる」と勝利を追求するうえで、「できればゴールパフォーマンス考えておきます! リモートマッチならではのなにかあれば」と、笑みを浮かべながら答え、新作の検討にも入った。
ダビド・ビジャやルーカス・ポドルスキは抜けたとはいえ、今季は新たにドウグラスが加入し、古橋亨梧や田中順也ら実績ある選手も健在で、攻撃のタレントは依然として豊富なヴィッセル。チーム内でのポジション争いも熾烈になるが、ゴールスコアラーとして各カテゴリーで結果を残してきた藤本の活躍にも、当然期待が高まる。「ゴール前での動き出しや、スペースに抜け出したりとか(これまでのよさを)今までどおりやっていきながら、ペナルティーエリア内での仕掛けや、フィニッシュまで自分個人でもっていけるようになれば、もっと幅も広がる。(課題を)克服しながら自分の持ち味を出しつつ、ゴール(すること)が一番わかりやすい目に見えた結果。ゴールにこだわりたい」と、得点への意欲はすこぶる高い。
「自分的にはJ3で24点取ったこと(実績)もあり、そこに近付ければ」と、今季の目標を設定した、クリムゾンレッドのナンバー9。ファン・サポーターに向けては、「(序盤戦は)リモートマッチになるが、しっかり結果でサポーターの皆さんに恩返ししたい。勝利をどん欲にとらえていきたい」とメッセージを送っていた。