天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日、決勝戦が行われ、ヴィッセル神戸が鹿島アントラーズに2-0と勝利し、初優勝を決めた。試合後、途中出場した神戸FW田中順也は、「タイトル獲得は願っていたことなので、それが実現できてうれしいですし、自分の力だけではなく、チーム全員のサポートがあって勝ち取れたものなので、本当に胸を張って、来シーズンにつなげたい」と、この天皇杯優勝をつかんだ喜びに浸りつつ、来シーズンを見据えていた。以下は、田中順也のコメント。
田中順也選手(ヴィッセル神戸)
――途中出場となったが。
誰が出てもチームのために戦う雰囲気になっていたので、練習のなかでノリ(藤本憲明)が出ると決まったときは納得したというか。鹿島に対してノリが完全に好印象でしたから。それは監督もちゃんと説明してくれたし、僕もそういうチョイスは相手からしてもイヤだろうなと。本当にそのとおりに運を手繰り寄せられたので、素晴らしい展開だったと思います。
――試合の状況について。
得点が入ることで、みんなのパフォーマンスもどんどん上がってきたのですが、後半だいぶ苦しそうだったので、DF陣も大変そうでしたし。そこが今後のチームの課題というか、後半の戦い方は反省しないといけない。
――出場時、惜しくも外れた得点機について。
(パスをくれた)ルーカス(ポドルスキ)に「なんで決めないんだ!」と言われたが、「なんでマイナス(の方向)に出すんだ、もっと前に流し込んでくれたら」という話しをしました(苦笑)、決めたかったです。
――神戸でタイトルを獲得できたことについて。
タイトル獲得は願っていたことなので、それが実現できてうれしいですし、自分の力だけではなく、チーム全員のサポートがあって勝ち取れたものなので、本当に胸を張って、来シーズンにつなげたい。
――天皇杯ではいろんな選手たちの活躍があり、チームの総力でつかんだタイトルだと思うが。
天皇杯では、最初のほうはJリーグに出ていない選手たちで戦って、なんとか結果を出したいと、そういうエネルギーがチームの底上げにつながったと思いますし、最後はきっちりと経験豊富な選手たちが試合を作ってくれたと思うので、本当に言うことがないくらいいい結果になりましたし、いいメンバーがそろったと思います。
――天皇杯では4得点を記録するなど、田中選手自身も結果を出した大会になったが。
自分は外国籍選手に食ってかかっていって、ポジション争いを生むことが、チームに相乗効果になると思ってやっていたので。外国籍選手が絶対に出られるという状況ではなく、日本人があそこに割り込んでいくことで、彼らのクオリティがより高まると。そういう効果を生めてこのように優勝できることが大事かなと思います。
――チームがポジティブに変化してきた感覚はあるか?
はい、間違いなく。後ろ(守備)がすごい安定してきたのと、前(攻撃陣)が出たときに得点を取らないとなかなか次に使ってもらえなかったりとか(危機感がある)。この前、僕が得点を取っても次に使ってもらえないこともあったりしますが、そういう競走があって、でも使われた選手がちゃんと得点を取っていく。(チームの向上には)後ろが安定することと、前が競走があることが絶対の大条件なので、それでハードワークが生まれると思います。これは僕のプロ生活のなかでも大事にしていることです。