兵庫県美方郡にある、国指定の天然記念物で絶滅危惧種のニホンイヌワシの巣で、1羽のヒナがこのほど見つかった。県内でニホンイヌワシの繁殖が成功するのは16年ぶりの快挙。6月初旬にニホンイヌワシが餌を運んでいる姿が確認されたあと、兵庫県立人と自然の博物館などが調査した結果、ヒナの確認に至ったという。
環境省はニホンイヌワシについて、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い(絶滅危惧種IB類)として指定。日本イヌワシ研究会の調査によると、1980年代以降、繁殖成功率が低下の一途をたどっている。1970年代には15いた、兵庫県に生息するニホンイヌワシのつがいの数は、90年代に2つがいにまで減少。2004年を最後に繁殖が見られていなかった。