テレビを見てついついうたた寝してしまい、深夜になると画面はカラーバーと言われる「試験配信」の画像になる。明確な「今日の終わり」を感じる瞬間がある(※キー局などは全日放送のところもあるが……)。しかし、ラジオ局の多くの局には終わりがない。いわば『24時間営業』だ。いつの間にか夜が来て、いつの間にか朝が来る。ではラジオでいう“今日の終わり”はどこなのか?
ラジオ関西の編成部に聞いてみると「1日の放送の終わりは、radiko(ラジコ)を見ていただくとわかりやすいです。1日の切り替わりは29時(午前5時)になります」。
29時? 聞きなじみのない24時間を超えた数字が登場したが、聞いてみるとラジオは1日を24時間表記で行い、朝5時までを1日ととらえるため、午前5時から翌日の午前5時を、「5時~29時」と表現するとのこと。ただリスナーに対しては27時と言っても何時かわからないので、放送内では「時刻は午前3時になりました」と対応していると話す。
もっとわかりやすい終了の合図はないのかと聞いてみると、「クロージング放送」を行っているという。
今日の終わりである午前4時59分からは「JOCR(※コールサインを指す)ラジオ関西です」から始まる周波数や出力を伝える1分の放送が「クロージング放送」といい、各局でも行われている。深夜や早朝のため、ついつい眠くなりがちだが、一度クロージング放送を聞くチャレンジをしてみるのも面白いはず。
なおラジオ関西では平日は深夜に『JUNK』、そして『オールナイトニッポン0(ゼロ)』がオンエアされ、“ラジオ的”1日の終わりは、“夜明け前”を意味する『上柳昌彦 あさぼらけ』……、パーソナリティーを務める上柳さんの「おはようございます!」の声でスタートする番組だ。クロージングの「29時」に朝を痛烈に感じるのも、ラジオならではの時間のとらえ方といえるだろう。
※ラジオ関西のクロージング放送
「J・O・C・R、ラジオ関西です。AM放送は兵庫県淡路市から周波数558KHz、出力20Kw、指向性アンテナで。J・O・C・E、ラジオ関西豊岡放送局は豊岡市出石町から1395KHz、出力1Kwでお送りしています。周波数91.1MHz、FM補完放送は、神戸市摩耶山からは出力1Kw、姫路市仁寿山から100w、同期放送でお送りしています」