西宮市の震災慰霊碑公園には市内で犠牲になった1,086人の名前を刻んだ慰霊碑があり、阪神・淡路大震災から25年経った17日、多くの人が花を手向けに訪れた。
訪れた市民は、次のように語ります。
「この公園の目の前には野坂昭如さんの短編小説『火垂るの墓』にも登場するニテコ池があり、コイやカメがひっくり返った池から飛び出してきた。私自身もタンスの下敷きに。あの光景は忘れられない。この日(1月17日)だけを大切にするのではなく、常にどう語り継いでいくのか考えなければならない」(73歳・男性)
「関西学院大学のオーケストラに所属し、2月8日には神戸国際会館こくさいホールで“阪神・淡路大震災25周年メモリアルコンサート”を開く。震災は私が生まれる前に起きたので映像を通じてしか知らない。そんな私たちが被災された方々にどう接していくべきか。阪神・淡路大震災のひとつひとつを知ることが大切」(21歳・女性)
地震発生の5時46分には石井登志郎・西宮市長も献花に訪れ、250人の市民が黙とうを捧げた。17日の正午前にはカーネーションは今年も1,000本用意された。また、日本地震学会の会員で約40年間、断層を調査している姫路市の西影裕一さんも訪れた。
西影さんは阪神・淡路大震災発生直後に広い範囲で起きた液状化現象を基に、播磨地域の埋め立て地についても危険地域の判定を行うなど精力的な研究を続け、地震大国・日本の危険性を指摘する。
「日本は年間で10万回の揺れにさらされている。この西宮震災慰霊碑公園にの真下にも『六甲・淡路島断層帯』が走り、小さな複数の断層が活動。日本は300万年も前から東西に力がかかり圧縮され、岩盤のひび割れが断層になっている。私たちは地震から逃げられない状況にある」