皆さんは、“石”を見て何を思うだろうか?
北海道出身の佐野恭平氏は、石を観て、火山の活動を見ている。彼は、兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科の助教で、「火山学」の分野を専門としている。大学時代のゼミの授業に“火山”にまつわる授業があり、そこから「火山学」にのめり込んでいった。
彼が現在、注目しているのは“黒曜石”。これは、火山の噴火によって生み出される火山岩の一種で、成分の大部分がガラスで構成されているという特徴を持っている。旧石器時代では、槍や刃物として使われていたことでも有名であるが、この黒曜石の誕生には、未だ謎に包まれている部分があると佐野氏は語る。
それは、黒曜石が生み出される条件として、「急冷」という、800℃~1000℃のマグマが急に冷やされることで、結晶化が起こり誕生するという過程があるのだが、この「急冷」はどれぐらいの速さで冷えることで生み出されるのかが、未だ解明されていない。実験することはできないため、「急冷」の計算を行うことなどで、黒曜石が生まれる謎を解き明かそうと、日々、研究を重ねているそうだ。
※ラジオ関西『PUSH!』2020年7月13日放送回より