ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!』で、羽川英樹さんとともにパーソナリティーを務める、大森くみこさん。司会やナレーションといったアナウンスだけでなく、今、無声映画の語り手として作品に命を吹き込む役割を担う、活動写真弁士としても活躍中です。今回は大森さんへのインタビューを行い、前編に引き続いて掲載する後編では、活弁をアメリカで行ったときのエピソードや、定期的に開催している活弁ライブのことなどをうかがいました。
――先日はアメリカでも活弁を行ったということですが、現地での反応はいかがでしたか?
「めちゃくちゃよかったです! 『こんなにウケるんか!』というくらい、日本でもこれくらいウケたらいいのにって思うくらいに(笑)。アメリカでは、活弁のせりふを字幕に訳してもらったのですが、エンターテイメントで『楽しむ』というのは、向こうの人はダイレクトに表現するんだなと。最終日はスタンディングオベーションもしてくれましたし、生まれて初めてのことだったので、すごく感動しました。アメリカの人が、活弁というものに、言葉が違うにもかかわらず興味を持ってくれているのが、すごく不思議に思いました。どういう感覚で見ていらっしゃるのかなと思ったのですが、アメリカのある方が(活弁は)『生の活弁と演奏がついていて、スクリーンからただ一方的に流されるのではないパフォーマンスが映画についているというのが、すごく面白く、魅力的だ』と言ってくれました」
――そして、大森さんは、「活弁ライブ in OSシネマズ神戸ハーバーランド」で、ピアニストの天宮遥さんとともに、定期的に活弁ライブを開催されています。定期的に行っているよさとは?
「無声映画というと、『あっ、チャップリンね』とか、『時代劇ね』とかになると思いますが、無声映画はジャンルも様々です。皆さんの好みとかもあると思いますが、日本のもので時代劇もあれば、当時の現代劇の映画もありますし、洋画もシリアスなメロドラマとか歴史もの、コメディやアニメもあります。思っている以上に作品の幅はすごく広い。毎回来てもらうと、いろんな作品を見てもらえるよう、作品選びをしています。それと、毎回、一期一会的なところもあるので、どの回に来てもらっても楽しんでもらえるよう、音楽も語りもアレコレ工夫をこらすようにしています。この活弁では、天宮さんに入ってもらっていることもあり、いつもふたりで『音楽はこんなふうに今回しましょうか』や、『こんなふうにすれば面白くなるかも』と、といろいろ相談しながらやっています。1回ずつで、毎回同じ公演がないので、映画だけれど、そういうライブ感を楽しんでもらえればと思います」
――最後に『ハッスル!』のリスナーや、「活弁」を見てくださる方へメッセージをお願いします。
「『ハッスル!』は、羽川さんが真ん中でお父さんみたいにいて、スタッフさんも含めて、ファミリー感がある番組。ウチに遊びに来てもらっているというような感じのところもありますので、末永く、仲良く、一緒に楽しんでもらえたらいいなと思います。また、リスナーさんには、ラジオも楽しんでもらいつつ、その延長で、羽川さんなら歌、私なら活弁と、『(皆さんに)会いに行ける場所』というのが、私たちはそれぞれあるので、そこに会いに来てもらえたらうれしいなと思います」