兵庫県と大阪府の府県境にある、川西市。市の北部にある「黒川地区」は日本一の里山として知られています。クヌギや桜の木が生え、トンボやカブトムシなどの昆虫、川にはカワムツやドジョウ……、空にはメジロやウグイスなど……、自然あふれる里山です。春や秋の観光シーズンともなると、多くのハイキング客が訪れる「黒川地区」。初秋の1日、この里山を訪ねました。(ラジオ関西『時間です!林編集長』内、「わがまちひょうご」)
かつては多くの人が住んでいた黒川地区ですが、人口減少が進み、現在は40世帯110人ほどの人が暮らしています。地区に唯一あった市立黒川小学校も児童数の減少にともない、1977(昭和52)年に休校になりました。
黒川小学校の歴史は古く、1904(明治37)年に落成した校舎は、懐かしい木造校舎。焼いた杉板と白い漆喰の壁が今も残り、青い空と緑の木々によく映えます。中には4つの教室や宿直室などがそのまま残っていて、建物の外観や内部は一般にも公開されています(館内見学は平日のみ)。明治時代の貴重な建築物ということもあって、映画やテレビのロケでも使用されていて、最近では朝の連続テレビ小説「スカーレット」の撮影も行われました。2009(平成21)年には兵庫県の「景観形成重要建造物」に選ばれています。
今は地区の公民館として利用されていて、館長の後藤弘行(ごとう・ひろゆき)さんは、「地区の皆さんの活動の場として、味噌づくりや陶芸、ギター教室など、さまざまな用途に活用してもらっている」と話します。
周辺にはキャンプ場やダリヤ園、茶道の菊炭作りも行われているほか、ケーブルカーで妙見山に上ることもできます。11月3日には「北摂里山まつり」も行われる予定で、後藤さんは「まつりの時だけでなく、散策やハイキングの際には、公民館にも足を延ばしてほしい」と話していました。
秋の1日、日本一の里山・黒川地区に足を運んでみてはいかがですか?
日本一の里山 川西・黒川を訪ねて
2019/10/01