声優界のレジェンド2人が食うか食われるかの壮絶な闘いを繰り広げる……、そんなCM動画がいまSNS上で反響を呼んでいる。
これは、はごろもフーズの「シーチキン」と、プリマハムの「サラダチキン」がコラボした新商品「シーチキンチキン」のCM動画。声優の神谷明さんと古川登志夫さんの二人が「コケー!(にわとり)」、「ウオー!(まぐろ)」と全力で雄叫びを上げるだけという大御所声優の贅沢な起用法が話題となり、9月26日の公開からこれまでの再生回数はYouTube、Twitterとあわせて200万回を突破。1か月以上たった今もSNS上では、「シーチキンチキン」のおいしさとともに絶賛されている。
この動画のナレーションを担当したのが、ラジオ番組『青春ラジメニア』(ラジオ関西)パーソナリティーの岩崎和夫さん。「アニラジ番組」(アニメ関連のラジオ番組)の草分けである『青春ラジメニア』を30年間担当し、アニメ界の隆盛を見守ってきた岩崎さんは、今回の動画の面白さ、大御所二人の熱演をどうみていたのか。レジェンド声優たちとの夢の共演を振り返ってもらった。
――収録は8月下旬。東京都内の某スタジオで行われました。岩崎さんは動画本編の導入ナレーションと、その前史を説明するストーリー編のナレーションを担当されました。
事前に「大河ドラマ風に」という指示があったので、あまり感情を入れないように努めました。自由だった分、逆に緊張しましたが、始まってしまえば落ち着いてできましたね。
――動画は公開直後から大きな反響を呼び起こしました。
反響は予想通り。あのノリを楽しんでもらいたい。
――お二人ともほとんど一発録りで収録を終えられたことに驚きました。岩崎さんから見ての、動画の注目ポイントは?
激闘からの切り替わりですね。神谷さん古川さんが雄叫びをあげてぶつかり合い、天に上ると、地上にシーチキンチキンが落ちてくる。そこに二人が、「まさかのコラボ!新発売!」と声を合わせる。あの最後のお二人の声が、あの動画の魅力、「シーチキンチキン」の製品としての魅力を表しています。
――お二人が声を合わせる瞬間を、岩崎さんはスタジオで立ち会われていたわけですよね。
二人の合わさった声を録り終えた瞬間は、スタジオに居合わせた全員が感動していましたね。相手がどう動くかわかっている、あうんの呼吸でないと、あれはできない。長年、声優の仲間としてともにやってきたからこそ。これは『青春ラジメニア』の僕と”かおりん”(南かおり)の関係でもいえることだけど、声を出す瞬間に、相手はどう思っているのか、どう出てくるのかがわかっている。長年の二人の関係性がうまく表れた瞬間だったと思います。