関西学院大学(兵庫県西宮市)は12月3日、ダツェ・トレイヤ=マスィー駐日ラトビア共和国特命全権大使を招いて特別講演会を開く。関学と同国との縁は、学院が神戸市の「原田の森」(現、神戸市灘区王子町)にあった時代にさかのぼり、大使館との交流は今も続く。演題は「ラトビアの100年」。強国からの独立の歴史を繰り返してきたラトビア共和国と関西学院との縁を改めて振り返る。
1918年から1921年まで、原田の森時代の関西学院高等学部で、イアン・オゾリンというラトビア人青年が英文学と英語を教えていた。1918年11月18日、母国がロシア帝国から独立すると、教師のかたわら神戸でラトビア領事の役割を果たし始めた。16か国語を話し、少人数のクラスで大演説するような情熱的な授業をする一方、食堂では学生たちと卓を囲み、気さくに交わりながら多大な影響を与えた。
1940年以降、再び旧ソ連に併合された同国は、バルト3国の200万人が自由を求めて連帯した1989年の「人間の鎖」を経て1991年に再び独立を果たした。
2006年に初代駐日大使として派遣された大使が、かつて自国を代表する役割を果たしていたオゾリンのことを「学院史編纂室便り」で知り、以来、関学との交流が始まった。
初代大使は、2008年に続いて、2011年にも日本・ラトビア国交樹立90年、国交回復20年を記念して講演。第二代大使も関学創立125周年を祝い2014年に記念講演を行っている。
今回迎えるダツェ氏は、2017年7月に就任した3人目目の駐日大使で、初の女性大使。1992年に同国の外務省に入省し、大使就任直前まで首相外交政策顧問を務めた。
講演会は午後1時半から午後3時まで。場所は西宮上ヶ原キャンパス第5別館3号教室。一般参加も可能で、事前申し込みは不要。講演は英語で行われ、日本語通訳がある。