周囲を見渡すと自然の中にたくさんの発見があって、それ以外のことを考える時間がほとんどないことだ。なぜかというと、今はちょうど収穫の時期にあたるからね。〔…〕この1週間はずっと小麦畑の中にいて、太陽にさらされながらとにかく仕事をしたよ。-1886年6月21日、ゴッホから弟テオへの手紙より
精神病の発作によって精神療養院に入っても、ゴッホは制作の手を止めず、最後まで自分自身の芸術を追い求めた。ここまで展覧会を見れば「孤高」「天才肌」といったイメージが強いゴッホが、本当は努力家で、自分の信念にまっすぐな人物だったことがわかる。周りの画家たちから貪欲に学び取る姿勢がなければ、このような唯一無二の画風は生まれなかっただろう。
「サン=レミ(精神療養院)にいた最後の数日間、一心不乱に花束を描いたよ。バラや紫のアイリスだ」-1890年6月5日、ゴッホから妹ウィルへの手紙より
展示されるのは、実に48作品のゴッホの作品と、さらに彼に関連し、影響を与えたハーグ派の絵画が18作品、印象派の絵画が15作品のあわせて81点。これらが10の国と地域、27か所から兵庫県立美術館に集結する。東京会場では見ることができなかった”兵庫だけの”作品14点(注:うち2点は2月21日に追加)にも注目だ。
ゴッホ展
会場:兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
問い合わせ:078-262-0901
会期:2020年1月25日(土)~2020年3月29日(日)
ホームページ:https://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input[id]=93331
料金:
【当日】一般1,700円、大学生1,300円、高校生以下無料