神戸大学附属小学校(明石市)では、小学3年生の児童たちが、地元・明石で獲れるノリについて調べ、その魅力をラジオCMで伝える学習が行われている。生産者である漁師、加工場や流通センターの担当者から直接話を聞き、工場見学などを通して学びを進めていくものだ。担任の古谷亨仁(ふるや・あきひと)先生によると、ノリについて調べる学習は毎年行われているが、ラジオCMを制作するのは今回が初の試みだという。児童も先生も手探りの状態で、1月末から学習がスタートしている。
その模様を、「ラジオ局として、こんなに面白い取り組みを応援しないわけにはいかない」と、ラジオ関西『時間です!林編集長』(月~木、午後3時~)が密着取材し、特集コーナーを設けて学習の経過を伝え続けている。
今回は、兵庫県漁業協同組合連合会「のり海藻部」部長の藤澤憲次(ふじさわ・けんじ)さんによる出張授業がテーマ。CM作成直前の学習とあって、児童たちは真剣に話に耳を傾ける。質疑応答に向けて、必死にペンを走らせる音も時折聞こえてきた。
兵庫県内28の漁業協同組合から集荷されたノリは、等級検査のため流通センターに集められる。良い状態のノリ、そうでないノリを人の目で確認しながら状態ごとに分けていく。一般的に良い状態のノリは、黒くて艶のあるものとされるが、それはノリの緑の色素であるクロロフィルaが豊富に含まれるため。タンパク質と同じであり、タンパク質に含まれるアミノ酸がうまみ成分として、ノリの美味しさに大きく関係するのだ。藤澤さんが3種類の色の違うノリを児童たちに渡すと、「全然ちがう!」、「これは赤い!」など、驚きの声があがった。
話が終わると児童からは「兵庫のりは、どんなところが安心安全なのか」や「兵庫県で一番高いノリは?」といった値段に関すること、また「異物除去を何度もしているが、一番小さなゴミは何ですか?」など、藤澤さんが「いい質問ですね」とうなるような疑問の数々が投げかけられた。一つひとつ丁寧に答えた藤澤さんは、最後、「良いラジオCMができるのを心待ちにしているので頑張ってください」と笑顔でしめくくった。
制作するCMは60秒。次回、班ごとにわかれてCM原稿を作成する。筆者が「良いCMを作れそうですか?」と問いかけると「はい!」と自信満々に答えた児童たち。期待が高まる。取材を続けていく。(リポート=ラジオ関西アナウンサー・津田明日香)