JR福知山線脱線事故から15年を前に「JR福知山線事故・負傷者と家族らの会(空色の会)」が再発防止の願いを込めたしおり、「空色の栞」を、今年も4000枚作成した。
しおりのデザインは、事故車両の1両目に乗って負傷した宝塚市の福田裕子さんが毎年担当。
今年は青空の下、石積みの塔から青い海に2頭のクジラが泳ぐ姿を眺め、砂浜には足跡を描いた。例年に比べて鮮やかな色合いが特徴的だ。
しおりは、例年JR尼崎駅でメンバーが手渡ししているが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため、4月中旬から事故当日の4月25日までJR福知山線沿線各駅の改札に置く。
※しおりは、JRの尼崎、伊丹、川西池田、宝塚、西宮名塩、三田の各駅改札付近に配置。
妻が事故で重傷を負った中島正人さんは「新型コロナウイルスの感染拡大で手渡しできないのは残念、しかし、こういう時期だからこそ安全・安心の重要性を訴えて事故を風化させたくない思いを強くしたい」と話した。
また福田さんは事故から15年を前に「昨年までは遠くから建造物を見るイメージだったが、今年は建物の中から外を見るイメージにした。『空色の栞』というコンセプトを改めて考えて色目を鮮やかにした。この15年間は先の見えない旅だった。いつもは歩む方向が違っても、4月25日が近づくと被害者や遺族がみんな1つの方向へ進んでいる気がする」とコメントした。