ラジオ関西の津田明日香アナウンサーがつづるコラム、「あすノート」。今回は、津田アナが学生時代に出会い、愛読書となった、かけがえのない一冊を紹介する。
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今、自宅で過ごす時間も多いと思いますので、ぜひ読んでほしいなと思う私の大好きな本をご紹介します。文春文庫から出版されている森絵都の「カラフル」です。
この本と出会ったのは中学生のときでした。誰かにいただいた本だったと思います。私の通っていた中学校では、毎朝10分間ほど、読書タイムが設けられており、時間になると、お友達とワイワイ騒いでいたみんなも、一斉に本を取り出して静かに読み始めます。
私はその時間がとても好きでした。
もともと読書も好きで何冊も読んでいましたが、読み終えたときに、なんともいえぬ興奮を覚えた作品は、当時としてはこの「カラフル」が初めてでした。
その体験をしてからは、より読書が好きになりましたが、結末がわかっていても何度も読んでしまうのは、やっぱり「カラフル」だけですね。
こういうのって、人それぞれの感覚だとは思うのですが、私が思う「カラフル」の魅力を3つのポイントにまとめてみました。
ポイント①:まず、冒頭から面白い!
これです! 1文目からすでに引き込まれるのです。このように始まります。
森絵都『カラフル』(文春文庫)
定価 本体620円+税
発売日 2007年09月04日
ページ数 272ページ
ISBN 978-4-16-774101-3
文芸春秋BOOKS https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167741013