2019年7月、京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオでに起きた放火殺人事件で、京都府警は27日、全身やけどで入院中の男(42)を医療機関から捜査本部がある伏見警察署に移送し、殺人や現住建造物等放火などの疑いで逮捕・送検した。「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と容疑を認めているという。
事件から10か月経ち、男は自力で歩いたり食事したりできない状態だが、京都府警は医療体制が整った刑事施設であれば、勾留後の取り調べが可能だと判断した。
■聖地では真相解明求める声
≪京都アニメーション作品「涼宮ハルヒの憂鬱」の舞台、西宮で≫
「犯人に対しては憤りしかないが、何が本当の原因だったのかを知りたい。たまたまハルヒの地元が西宮。これまで親近感があっただけに悔しい」
「多くのクリエイターさが亡くなっているのを間近で見ている被害者がいらっしゃる。心身の回復を先に望みますが、犯人はそうした人たちの夢や将来を奪った」
≪「たまこまーけっと」うさぎ山商店街のモデル、出町枡形商店街で≫
「簡単に当事者の気持ちにはなれない。どれだけ苦しい思いで命を落としていったのだろう。被害者の名前を公表する、しないという意見もいろいろありましたが、遺族の方々の気持ちを思うといたたまれない」
「『たまこまーけっと』の制作に携わった多くのスタッフが亡くなっていると聞き、改めて悔しさが込み上げてきた。怒り以外の何物でもない」
平成以降、最悪の犠牲者を出した放火殺人事件は発生から10か月で容疑者逮捕に踏み切った。
27日午前の京都府警の会見では、これまでのところ男の供述で被害者や遺族への謝罪の言葉はないという。京都府警は今後、動機など事件の全容解明を急ぐ。