大阪教育大学附属・池田小学校で児童8人が犠牲になった事件から19年となった8日、追悼式典が営まれた。
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池田小学校では事件を教訓に2009年から「安全科」という授業を設け命を守る教育を続けている。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、児童の参加を各学年代表にとどめるなど大幅に規模を縮小した。毎年この日に行われる「安全科」の授業は見送られた。式典には遺族のほか、各学年の代表児童6人や教員ら約60人が出席した。事件の発生時刻、10時12分にあわせ、亡くなった児童の名前が刻まれたモニュメント「祈りと誓いの塔」の8つの鐘を鳴らし、参列者は1分間の黙祷をささげた。
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事件当時6年生の担任で、いったん池田小を離れことし3度目の赴任となった眞田巧校長は
「当時『学校は安全なところである』という根拠のない思い込みによって緊急事態の想定ができていなかった。子どもたちを守る教育と、加害者を生まない教育。これをあきらめてはならない。目の前の子どもが、笑顔で元気に過ごせる学校生活を保障するために、前を向いて教育に取り組みたい」と誓った。来年で事件発生から20年となるのを前に、池田小では今年度、危機管理マニュアルに事件の教訓として当時の詳しい状況や反省点を書き加えた。このマニュアルを通じて教訓を語り継ぎ学校の安全につなげたいとしている。