姫路沖や東かがわ(香川県)の沖でナマコなどを密漁したとして、姫路・高松両海上保安部が9日までに漁業法違反や水産資源法違反などの疑いで小豆島や高松市に住む23歳から66歳の男女12人を逮捕、送検した。
犯行グループは2019年12月、小豆島から4隻の小型ボートに乗り、主に夜中に姫路の飾磨沖や網干沖、香川県の東かがわ市の沖で潜水器具を使って大量のナマコやサザエを密漁し、主犯で水産業を営む54歳(香川県小豆島町)の男のもとに集め、男が転売した疑いが持たれている。違法収益は少なくとも1200万円にのぼるとみられる。
犯行グループは2020年3月までの約4か月間にナマコなど1回あたり約100キロを密漁し、男は水産加工会社に販売していた。
グループはウエットスーツに空気ボンベ姿で海に潜り潜水器を使って密漁する手口で2020年2月まで約3年間、犯行を繰り返していたとみられる。逮捕、送検された12人のうち8人はすでに起訴、または罰金刑となり、一部は「仕事がなく、生活費が稼げると思った」などと容疑を認めているという。グループは親族や知人で構成されていた。
水産庁によると、ナマコは高級食材として高値で売れるため、漁業関係者以外による密漁も20年間で3倍近く増え、全国の海での密漁のうち約8割を占めるという。