姫路市立美術館が、このほどリニューアルオープンした。
姫路市立美術館は赤レンガの建物。2003(平成15)年に国の登録有形文化財となった。
もともとは、1905(明治38)年に姫路陸軍の兵器庫として建てられ、戦後は姫路市役所として市民に親しまれた。1980(昭和55)年に市庁舎が移転したことにより、美術館として1983(昭和58)年にスタートした。
今回の改修で、天井の色を白からダークカラーに変えたほか、LED照明を取りいれた。これにより作品が持つ本来の色彩が高度に再現され、作品が持つ魅力をさらに届けられるという。
姫路市立美術館の常設展示室「國富奎三コレクション室―近代フランス絵画 モネからマティスまでー」では、配置換えを行い、新たな魅力も加わった。
國富奎三コレクションは、1994(平成6)年に姫路城が世界文化遺産に登録されたのに合わせて姫路市在住の國富奎三氏から寄贈されたもの。自然主義、写実主義を掲げたコローやクールベ、人間の眼差しを変革し近代から現代につながる扉を開いた印象派のモネ、ピサロ、シスレー、それに続くドガ、ルノワール、フォーヴィズムのヴラマンク、エコール・ド・パリのユトリロやヴァン・ドンゲンら個性を躍動させた画家たち、さらに現代への道を開いたマティスに至る25人の作家、30件で構成されている。
このなかに、ルオーの「町外れ」の裏面作品「老女」がある。
ルオーは、1909年にこの作品を完成させ、裏面には人物を描いていたことが知られていたが、これまで非公開とされてきた。姫路市立美術館などでは2017年度に修復作業を行い、ルオー財団との協議の結果、公開が認められた。姫路市立美術館の学芸員は「修復は美術館の役目の一つ。裏面の公開は作家を顕彰するという点でも意義がある」と話している。
【姫路市立美術館】
開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜
https://www.city.himeji.lg.jp/art/
≪國富奎三コレクション室(常設展示室)≫
観覧料 一般210円、大高生150円、中学生・小学生100円
※コレクションギャラリーは無料